トップリーグの練習試合もかなり試合が進んできました。
特に今月6月は多くのチームが練習試合を組んでおり、各地で試合が行われています。
トップリーグ練習試合については下記も参考にどうぞ。
今回は、6月20日(土)に開催されたNTTドコモレッドハリケーンズと近鉄ライナーズの試合についてです。
NTTドコモレッドハリケーンズvs近鉄ライナーズ
NTTドコモレッドハリケーンズは、1994年に創設されたチーム。トップリーグには2011年に昇格し、2011年シーズンからトップリーグで活躍しています。そこから3年は常に入れ替え戦行きと苦しい時期でしたが、昨年は初めてワイルドカードトーナメントに進出。2回戦で敗退するも躍進した年となりました。
対する近鉄ライナーズは、1927年にチームが創設され、29年に創部された古豪。70年以上もの長い歴史を誇り、社会人大会などでも優勝を何度もしているチーム。昨年度はトップリーグ10位。1stステージでは得失点差で上位リーグに進めず、下部リーグで2位。その後のワイルドカードトーナメントでも1回戦で敗れて、シーズン終了となりました。
どちらのチームも今シーズンはなんとか、上位グループへと進出したい年。今年に向けての大事な試合となります。なお、この試合は40分×3本で行われています。
1本目
1本めは近鉄のキックオフで試合開始となります。先にチャンスを作ったのはドコモ。相手のラインアウトが合わず、マイボールにすると、そこからフェーズ重ねて攻め込みます。最後は中央で13番がキックも相手ボールに。その後、相手のキックがタッチに出ず、再び攻め込むもここはペナルティで相手ボールに変わり、最初のチャンスを逃します。
すると、今度は近鉄が敵陣へ。自陣LOから相手ペナルティで残り30mほどの位置からマイボールラインアウト。そこから展開し、攻め込もうとするも、このボールをドコモ11番がインターセプト。そのまま独走し、ドコモが先制トライ!ゴールも決まって7-0とします。
キックオフ後はドコモが敵陣へ。相手ペナルティから敵陣でのラインアウトから攻めるも、ここは相手ディフェンスに戻されてノックオン。近鉄ボールに変わると、近鉄が自陣から攻め込みます。さらにドコモのペナルティがあり、敵陣へ進出し、ラインアウトのチャンス。しかし、ここもラインアウトが合わず、相手ボールに変わります。
その後も近鉄は敵陣へと攻め込むチャンスは作りながらもミスで相手ボールに変わる展開が続きます。
すると流れはドコモに。前半15分過ぎ、自陣スクラムから相手ハイタックルで敵陣でのラインアウトとすると、さらに近鉄のオフサイドで敵陣22m内でのラインアウトになります。
ドコモはここから右に左に展開していき、相手ディフェンスを散らします。最後は右サイドラックから左へ展開。13番が止められるも、倒れず14番に渡し、そのまま抜け出してトライ!ゴールも決まり、14-0とリードを広げます。
その後は、互いに攻めるもターンオーバーされる展開に。近鉄は相手ペナルティからクイックで攻め、ラックからボールまわすもノックオン。このスクラムで近鉄にコラプシングがあり、ドコモはラインアウトから攻めるも近鉄にボールを奪われます。近鉄は、ここから左へ展開し、インゴールへキックするも、ドコモディフェンスが抑えて、ドコモが守りきります。
ここからは流れがドコモに変わります。自陣から10番がゲインし、その後つないで敵陣へ。フェーズ重ねて13番がキックもここは近鉄がボール確保。いったんタッチに蹴りだします。
ドコモは敵陣でのラインアウトから再開。ここからフェーズ重ねて攻め込むと、ゴール前で近鉄15番が故意の反則でシンビンに。近鉄が1人少なくなります。
ドコモは5mスクラムから再開し、そこから展開し攻めるも、いったんは相手にボールを奪われます。が、キックチャージから取り返すと、そこから攻撃。最後は左サイドに展開し、11番がトライ!ゴールも決まって、21-0とリードを広げます。
1本目の残り時間もわずかとなり、最後に攻めるのもドコモ。ドコモ自陣で近鉄ボールのラインアウトもこのボールがドコモに渡り、そのまま7番がゲイン。その後右に展開し、最後は5番がトライ!ゴールも成功し、28-0とします。
1本目はこのまま終了。NTTドコモレッドハリケーンズが近鉄ライナーズに28-0とリードし、終了となります。
2本目
2本目はドコモのキックオフからスタートとなります。2本目も先に流れをつかんだのはドコモ。ドコモは敵陣でのラインアウトから攻めるもノットリリースザボール。相手ボールに変わるも、近鉄がノータッチキックとなり、ドコモが自陣から20番がゲイン。その後、22番につなぐと、そのまま走りきってトライ!ゴールも決まって7-0(通算35-0)とします。
その後のキックオフから、ドコモは自陣でノックオン。近鉄が敵陣でのスクラムとすると、FWでゲインしていくも、最後は下げられてしまい、ノックオン。ターンオーバーしたボールをドコモは裏にキック。近鉄がクイックスローしたボールを再びドコモが奪い、左へ展開するもここはタッチに出てしまいます。
その後も互いにミスもあり、なかなかチャンスが作れない時間が続きます。ドコモは相手ノックオンからスクラムから攻めるもこちらもノックオン。今度は近鉄が攻めるも接点で奪われる、ドコモのオフサイドから近鉄がラインアウトから展開するもペナルティとなるなど、互いに得点なく、20分が過ぎていきます。
次に得点が動いたのは24分頃、ドコモは自陣から7番、6番、再び7番とつないでゲインすると、相手ペナルティからラインアウトに。ここからキックするもドロップアウトとなり、いったんチャンスを逃します。が、この後のキックから、22番がゲインし、敵陣ゴール前に進むと、最後は右サイドに展開し、右隅にトライ!ゴール不成功で、12-0(通算40-0)とします。
その後もチャンスを作ったのはドコモ。30分過ぎには、左サイドゲインから、相手ペナルティがあり、スクラムを選択。スクラムから左へ展開し、その後、10番から内側11番に返してゲイン。ゴール前での中央ラックからFWが押し込んでトライ!ゴール成功で、19-0(通算47-0)とリードを広げます。
対する近鉄もその後のキックオフから接点でターンオーバー。相手ペナルティからクイックで攻め込み、ゴール前残り数mまで迫るもペナルティで得点ならず。その後も相手キックから左・右と展開していき、ゲインすると、相手ペナルティからラインアウトを選択。そこから攻めるも、再びペナルティを犯し、得点を奪うことができません。結局2本目もこのまま終了。
2本目は19-0(通算47-0)でドコモがリードして終了となります。
3本目
最後の3本目は近鉄のキックオフでスタートとなります。この3本目はスクラムはノーコンテストでの試合。
最初に得点を奪ったのは今回もドコモでした。ドコモは開始早々、自陣からつないでゲインしていき、敵陣へと迫ると、相手ペナルティから9番が持ち出してゴール前へ。最後はラックから持ち出してトライ!ゴール成功で、7-0(通算54-0)とします。
その後も流れは変わらずドコモペースに。近鉄が自陣から継続し、ハイパント。このボールをドコモ17番がキャッチし、ゲインすると近鉄ペナルティからクイックで再開。最後は左へ展開するもここはノックオン。得点にはなりません。
その後もドコモが攻め続けます。近鉄が自陣からのキックがダイレクトタッチとなり、ドコモが敵陣でのマイボールラインアウトとします。このラインアウトでボールキープしたドコモは、ゴール中央付近から22番がしなやかな走りで抜け出してそのまま中央にトライ!ゴールも決まり、14-0(通算61-0)とします。
その後、10分過ぎからは互いに中盤でのせめぎ合いとなります。キックも交えながら、陣地の取り合いとなります。そこから近鉄がマイボールにし、攻め込むも、ここは相手に絡まれノットリリースザボール。ドコモは敵陣でのラインアウトとすると、リズムよくつないでゴール前へ。がここはいったん相手に奪われ、キックで戻されます。そのラインアウトから再びドコモが攻め込みます。相手ペナルティもあり、クイックで22番が右隅を抜け出し、そのままトライ!ゴールは外れ、19-0(通算66-0)とリードを広げます。
その後再び中盤でボールの奪い合いの時間が続き、近鉄がチャンスを作ります。後半20分過ぎ、近鉄が自陣スクラムから右サイドゲインし、そこから継続するも、いったん奪われます。がそこでうまく相手に絡んでノットリリースザボールを誘うと、再び攻め込みます。相手ペナルティからラインアウトのチャンスを得ると、ここからモールで押し込んでこの日初トライ!ゴールは外れ、19-5(通算66-5)とします。
が、その後すぐにドコモが反撃。キックオフのボールを奪うと、そこから継続し、右に大きく展開。最後は右隅にトライを奪い、ゴールも成功。26-5(通算73-5)とリードを広げると、さらにその後、ドコモは自陣から攻撃。5番が自陣からゲインすると、2番、7番とつないで、最後は20番が飛び込んでトライ!ゴールも成功し、33-5(通算80-5)とドコモがリードを広げます。
残り時間10分を切ったところで、近鉄が反撃。ドコモが自陣からボールをまわすも、こぼれたボールを近鉄が拾ってマイボールにすると、相手ペナルティからゴール前でラインアウト。ここから再びモールを押し込んでトライを奪い、ゴール成功。33-12(通算80-12)とすると、さらに残り数分となったところで、自陣から攻撃。ボール乱れるも、そこから15番が抜け出して一気に左中間にトライ!ゴール成功で、33-19(通算80-19)と追い上げます。
が、試合はここで終了。3本目は33-19でドコモがリードして終了。通算でも、80-19とドコモが勝利しました。
全体を通じて
この試合、全3本で思いのほか大差のついたゲームとなりました。これまでの両チームの対戦を見ても、昨年度トップリーグ1stステージでは21-17で近鉄が勝利、2ndステージでは、30-27で近鉄が勝利、その前の年も21-20で近鉄が勝利といずれも僅差で近鉄が勝利していました。その流れもあり、この試合も僅差になるのではと思われましたが、予想外の結果になりました。
NTTドコモレッドハリケーンズにとっては良い試合になったかと思います。序盤から良いリズムで攻撃を組み立て、トライを奪いました。横に振って、相手ディフェンスを崩してのトライや縦に力強く突破したトライなど、良いアタックが見れたと思います。
気になった選手としては、7人制日本代表経験もあるリリダム選手。今年からの入団になりますが、しなやかかつ力強いランは大きな武器となるでしょう。外国人枠の関係もあり、後半からのインパクトプレイヤーとしての投入が増えそうですが、相手としては厄介な存在となりそうです。
対する近鉄ライナーズですが、この試合については、単純なミスやセットプレーでも合わない場面が目立ち、簡単に突破される場面もあり、ちょっと心配になる試合になってしまいました。リズムが悪い時に立て直すことができず、ズルズルと引き離される試合になってしまったので、試合の中でどう立て直すかも重要になってくるかと思います。
3本目に入ってようやくモールからの2トライでらしさが出てきた部分はありましたが、反省点の多い試合になってしまいました。
現時点では大差のつくゲームとなってしまいましたが、ともに大阪を本拠地とするチームなので、是非トップリーグでも上位進出を目指して頑張ってもらいたいと思います。
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