2016年1月31日(日)、兵庫県ラグビー大会新人戦の準々決勝が報徳学園グラウンドで行われました。この日の試合は全部で4試合でしたが、この日の最後の試合である報徳学園-神戸の試合は神戸高校が棄権ということで報徳学園が不戦勝に。結果、3試合が組まれることになりました。(なお、4試合目には報徳学園と川西北陵で練習試合が組まれていました。)
この日の準々決勝で勝利すればベスト4進出となる一戦です。
1試合なくなったので、この日の試合は、3試合。第1試合が関西学院-県立芦屋、第2試合が科学技術-甲南、第3試合が市立尼崎-県立伊丹となっています。それでは各試合ごとに簡単に見ていきましょう。
関西学院-県立芦屋
1試合目は関西学院高校と県立芦屋高校の対戦です。花園出場・ベスト8進出の関西学院相手に県立芦屋高校がどこまで食らいつくことができるか、がポイントでしょう。
前半、先制したのは関西学院。前半4分、相手ペナルティからタッチに蹴りだし、ゴール前でラインアウト。そこからFWで攻め込んでトライ!ゴールも決まって7点を先制します。(関西学院7-0県立芦屋)
一方ここからは県立芦屋が相手ペナルティもあって、敵陣でのプレーが続きます。前半11分、ゴール前あとわずかというところまで攻め込むと、ここからFWにこだわってピックして持ち込みフェーズを重ねます。最後もFWで押し込んで取りきって、7-7の同点に追いつきます。(関西学院7-7県立芦屋)
関西学院は前半、相手に接点でのプレッシャーも感じていたからか、ペナルティが多く、自陣でのプレーが続きます。この後も関西学院が相手陣インゴールに迫ります。前半20分頃にもインゴール目前までせまって、そこからフェーズ重ねて近場をFW中心にせめるも、最後はオーバーザトップでチャンス活かせず。すると今度は関学に流れが移ります。
前半25分には敵陣でモール組もうとした関西学院ですが、ここはアクシデンタルオフサイドに。が、その後県立芦屋が自陣から攻めるところで、うまく絡んでノットリリースザボールを誘うと、そこからクイックでインゴールに飛び込んでトライ!関学が再びリードします。(関西学院12-7県立芦屋)
さらに前半28分にも、相手が自陣から蹴ったボールをキャッチするとそのままカウンターアタック。12番が大きくゲインし、最後FWがフォローしてトライ!点差を突き放して後半に入ります。
関西学院17-7県立芦屋 前半終了
後半に入ると、先に得点を奪ったのは関西学院。連続攻撃でゴール前にせまると、最後はラックの上から飛び越えてインゴールにおさえてトライ!さらに点差を引き離します。(関西学院22-7県立芦屋)
その後後半10分過ぎに、今度は県立芦屋が再びゴール前に迫ります。ここで前半同様FWでトライを奪いにいき、フェーズ重ねるも、最後ノックオンとなります。
するとここからは、県立芦屋に疲れも見えてきて、関西学院ペースに。後半15分に、ゴール前ラインアウトからモール形成。最後5番が抜け出してトライを奪うと(関西学院29-7県立芦屋)、後半22分にもゴール前で相手ペナルティから4番が持ち込んでトライを奪い、県立芦屋を突き放します。(関西学院34-7県立芦屋)
関西学院はその後、2トライを奪って、46-7とすると、後半ロスタイムにもゴール前に持ち込んでFWでトライを奪います。この後のキックが成功したところで試合終了となりました。
関西学院53-7県立芦屋 試合終了
結果を見ると、関西学院が順当に準決勝に進みましたが、試合としては県立芦屋が前半からよく粘っていた試合。関学は前半ペナルティから自陣で相手ボールとなる時間が長くなって、うまくリズムに乗れなかった印象です。
県立芦屋は前半トライを奪った後、もう一度敵陣ゴールライン目前に迫ってFWでこだわった場面がありましたが、ここでトライを取っていたらもう少し面白い展開になったかもしれません。が、前半は関西学院相手にも十分通用することを証明した試合になったかと思います。
科学技術-甲南
続いて第2試合は科学技術高校と甲南高校の対戦となります。この日の試合では最も拮抗していると思われた試合です。
試合は序盤から科学技術高校が敵陣でプレーを続け、リズムを掴みます。前半8分、敵陣にボール持ち込むと、相手ペナルティ。ここからクイックでリスタートし、左へ展開していき、左サイドにトライ!ゴール不成功もまずは科技高が先制します。(科学技術5-0甲南)
さらにその後も相手にチャンスを作らせず、接点で相手フォローが少ない時には一気に乗り越えるなど、随所に力強さを見せます。
前半17分にはゴール前で得意のモールを形成し、そこからモール押し込んで右隅にトライ!ゴールは外れるも、点差を広げます。(科学技術10-0甲南)
さらに後半25分頃にも敵陣ゴールラインまで迫って、モール押し込んでトライかと思いきやここはノックオンとなり、得点にはつながらず。しかし、前半終了間際に相手ペナルティがあると、ショットを選択して、このPGを成功。点差を広げたところで前半終了となります。
科学技術13-0甲南 前半終了
後半に入ると、FW陣の強さだけでなく、バックス展開でも科技高が得点をとっていきます。後半4分、敵陣で相手ノットロールアウェイのペナルティがあると、そこからクイックでリスタート。10番が巧みにステップふんで抜け出して、トライ!点差を広げます。(科学技術18-0甲南)
さらに後半18分にも科学技術が相手キックしたボールをキャッチするとそこからカウンター。大きく右に展開して14番が右隅にトライを奪ってさらに突き放していきます。(科学技術23-0甲南)
対する甲南高校も前半は中々敵陣でのプレーが少なかったものの後半はキックで敵陣に入りながらチャンスを作っていきます。相手ペナルティから敵陣深くでラインアウトのチャンスを作るものの、ノックオンやノットストレートでうまく活かせず、得点を奪うことができません。
対する科学技術は後半28分に相手ペナルティから6番がクイックで持ち込んでトライを奪うと(科学技術30-0甲南)、さらに後半ロスタイムにもゴール前でマイボールスクラムから14番が中央に抜け出してトライを奪います。このキックが成功したところで試合終了となりました。
科学技術37-0甲南 前半終了
試合は前半からうまくし合いを運んでいった科学技術がそのまま相手をノートライにおさえて、ベスト4進出となりました。科技高としては、サニックスワールドユース予選会(通称:裏花園)を経験し、全国レベルのチームとの対戦を経たからか、接点でのファイトやディフェンス面での粘り、リロードの意識などが高まり、力強さが増してきた印象です。また、この試合は昨年の花園予選でも準々決勝で対戦し、甲南高校が18-14で勝利しています。科技高からすると、この試合の悔しさをぶつける試合になったのではないでしょうか。
対する甲南高校としては、前半から自陣に攻め込まれる展開が続き、うまく試合を進めることができず、相手のプレッシャーの強さを感じた試合になってしまったかと思います。後半に入ると、敵陣でのプレーも増えてきたものの、もったいないミスもあって得点につなげることができませんでした。ただ、実力的にはベスト4に近いところにいると思うので、また練習して次の準備をしてもらえばと思います。
市立尼崎-県立伊丹
第3試合は市立尼崎高校と県立伊丹高校の対戦です。
ベスト4の常連となってきている市立尼崎に伊丹がどう挑むかという試合になりました。
試合は前半から市尼ペースに。前半8分、敵陣での連続攻撃でゴール前に迫ると、ゴール前でのラックから左に回して、10番がトライを奪い、市尼が先制します。(市立尼崎7-0県立伊丹)
さらに前半11分には敵陣員ゴールラインまで残り30mほどのラインアウトからモールを形成。そこからインゴールまで一気に押し込んでトライ!連続トライを奪います。(市立尼崎12-0県立伊丹)
市尼はさらに前半19分にもゴール前ラックから7番が飛び込んでトライを奪って、19点差と点差を広げます。
対する県立伊丹高校もそのトライ後の前半21分、12番がゲインしてから敵陣でボールつないで連続攻撃。最後は10番から右にグラバーキック。これを14番がキャッチし、右隅にトライ!県立伊丹もトライを奪って食い下がります。(市立尼崎19-5県立伊丹)
が、市立尼崎はさらに前半24分に敵陣で左右に大きく展開して右サイドに15番がトライを奪うと(市立尼崎24-5県立伊丹)、ロスタイムにもトライを奪い、前半を終了します。
市立尼崎29-5県立伊丹 前半終了
後半に入って先に得点を奪ったのは市立尼崎高校。後半9分に敵陣で相手ペナルティからクイックスタートし、大きく右に展開。右隅にトライを決めます。(市立尼崎34-5県立伊丹)
対する伊丹もその後キックオフボールを8番がキャッチし、一気にゴール前に迫ると、ゴール前ラックからFWでトライを奪って、7点を追加します。(市立尼崎34-12県立伊丹)
ここからは県立伊丹がうまくディフェンスライン抜け出して敵陣に入る時間があるものの、得点にはつながらず、逆に市立尼崎が確実にトライを追加していきます。
後半14分、敵陣入ったところでのスクラムから10番に渡ると、すぐ後ろから走り込んだ11番に渡して、大きくゲイン。最後フォローした12番にパスし、中央にトライを奪います。(市立尼崎41-12県立伊丹)
市尼はさらにこの後、スクラム起点に2トライを追加し、点差を広げ、その後最後まで相手に得点を許さず、試合終了となりました。
市立尼崎51-12県立伊丹 試合終了
試合は市立尼崎が順当にベスト4進出を決めました。トライされた場面はやや不用意なところがあったものの、それ以外はうまくゲームを進めていったと思います。市尼の場合、しっかりフォワードが接点でファイトできていると、うまく攻撃につなげられることが多いので、そこができていればしっかり戦える印象です。後は、自分たちや敵チームに関わらず、ミスなどが起こったときのリアクションを重視しており、そこからチャンスを作る、あるいはピンチにさせない、よう試合を進めていると感じました。
対する県立伊丹ですが、敗れたものの、FWでいえば8番の突破力、そして12番のステップ・スピードなどは上位陣相手にも通用する力を持っていると思います。素早く展開されるとどうしてもディフェンスラインを作るのに時間がかかってしまうので、その辺りが整ってくるとさらに良いチームになるかと思います。
準決勝の組み合わせ
この試合の結果、ベスト4が決まり、準決勝の対戦(2/7開催)も決定となりました。
試合 | 時間 |
---|---|
神戸ユニバー補助グラウンド | |
市立尼崎-報徳学園 | 13:00 |
関西学院-科学技術 | 14:15 |
市立尼崎-報徳学園 関西学院-科学技術
第1試合は市立尼崎と報徳学園の対戦。報徳学園に対し、市立尼崎が挑む構図です。第2試合は関西学院と科学技術高校の対戦。こちらも科学技術高校が関西学院高校に挑む構図の2試合です。
試合としてはそれぞれ報徳と関学が有利かと思いますが、市尼と科技高にはこの2チームに食らいついて倒していってもらいたいと思います。
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