ラグビーは通常15人で行うものですが、7人で行うセブンズ(7人制ラグビー)という競技があります。2015年までは東京セブンズという世界のトップクラスの選手が集まる世界大会が東京で開かれていました。2016年にはリオデジャネイロオリンピックが開催され、リオ五輪から7人制ラグビーが男女とも正式種目として採用されるようになりました。
そして2021年開催の東京オリンピックでも正式種目として7人制ラグビーが行われます。そんな7人制ラグビーの魅力についてまとめていきます。
ラグビーセブンズの魅力って何??
セブンズの場合、競技以外の部分も面白いので、それが楽しいというのもあります。7人制は観客が仮装して試合を見るなど、各々の楽しみ方で試合観戦しています。もちろん競技面もとても面白いです。また、通常の15人でやるラグビーとの違いや、7人制ラグビーならではの魅力があります。
セブンズって何でこんな注目されてるの?
先ほどから書いている通り、セブンズ(7人制ラグビー)はオリンピック種目に決定しています。2016年のリオ五輪から正式種目に決定しました。これまでももちろんセブンズワールドシリーズというセブンズの世界サーキット大会はありましたが、オリンピックという世界中が注目するイベントの競技に選ばれたことで、今まで以上に注目を集めています。
もちろん2021年開催の東京オリンピックでも正式種目となります。2019年にはラグビーW杯が開催されましたが、東京五輪でもラグビーを見ることができます。
オリンピックといえば、日本人も大好きなスポーツイベント。ふだんは見ないスポーツでもオリンピックでは見る機会も多いと思います。ラグビーセブンズも東京五輪で見る人は増えるでしょう。注目度が高まる7人制ラグビー、せっかくなのでルールも理解しておきましょう。
セブンズのルール
7人制ラグビーですが、基本的なルールや反則は7人制も15人制も同じです。でもセブンズは若干違う部分もあるので、理解しておくと役立ちます!
その前に、「ラグビーの反則をよく知らない」という人はこちらもどうぞ。
そもそもラグビー自体のルールがよく分かっていないという方は、まずはこちらの4つを覚えておいてもらえると7人制でも15人制でも、試合を見ても何となく理解できるレベルになります。
大きくまとめるとセブンズのルールは以下となります。
・グラウンドは15人制と同じなのでめちゃくちゃ広い!
・時間は前半7分後半7分の14分間
・スクラムは3人vs3人
・ゴールキックはドロップキック(地面においた状態では蹴らない)
・トライをとったチームがボールを蹴ってリスタート(15人制だと逆)
・両方のインゴールにレフリーが追加され、計5名で判定
人数
当たり前ですが、7人制ラグビーは人数が15人制とは異なり、7人対7人で試合を行います。「7人制なので、そんなもん当然だろ!」と思うかもしれないですが、グラウンドは15人制と同じグラウンドとなります。ということは、15人制と比較すると、同じグラウンドで半分以下の人数で試合をすることになります。
そのため、15人制と比べ、1人当たりのスペースが広くなります。攻撃時には広いスペースをどう抜いていくか、逆にディフェンス時には15人制より広いスペースを少ない人数でどう守るかということがポイントになってきます。
時間
また大きく違うのが時間です。15人制の場合、前半40分、後半40分の合計80分となります。(高校生の場合は30分ハーフで60分。)
対して、セブンズの場合は、前半7分、後半7分の合計14分となります。なので見ている側とすると、試合が始まってあっという間に終わります。セブンズの場合、1日で何試合も行うことになります。1チームあたりだと1日で大体3試合くらい行うのが普通です。このスピード感のある試合を何試合を行うというのもセブンズの特徴ですね。
なお、決勝戦だけは7分ではなく、10分ハーフで行われます!※2017年に変更で決勝戦についても7分ハーフで行われるように変更になりました。
スクラム
スクラムは15人制の場合、FW8人で組むことになります。が、セブンズの場合、7人しかいないので絶対に8人では組めません(笑)。そこで、スクラムは3人ずつで組み合うことになります。15人制の場合、フォワードが8人、バックスが7人ですが、7人制の場合はフォワードが3人、バックスが4人となります。このFW3人でスクラムを組むことになります。
ゴールキック
通常15人制ではペナルティキックやトライ後のキックはボールを地面に置いた上で蹴る、プレースキックが多いです。それに対して、セブンズのペナルティキックやトライ後のキックは地面にいったん落として蹴るドロップキックになります。
これはプレースキックだとキックティーが必要となり、時間がかかるため、すぐに蹴ることができるドロップキックで試合を進めています。
ちなみに、15人制でドロップキックでゴールを狙うのもルール上OKです。急いでいる時などはドロップキックで蹴る場合もあります。セブンズではドロップキック限定ですが、15人制はプレースキックでもドロップキックでもどちらでもOKということになります!
キックオフ
トライ後のキックオフもセブンズと15人制の違いです。15人制はトライを取られた側がキックオフするのですが、セブンズではトライを取った方がキックして始まります。セブンズの場合、スペースが広いのでボールキープしている方が圧倒的に有利になります。このキックオフのボールをどちらが取るかというのもセブンズではとっても大事なポイントになります。
レフリー
実はレフリーの人数もセブンズと15人制で異なります。15人制の場合、主審とアシスタントレフリー(タッチジャッジ)2名となりますが、7人制の場合は、この3人に加え、各サイドのインゴールにインゴールジャッジを置きます。なので2名増えて5名のレフリーで試合を行うことになります。
これもセブンズ独特のスピード感からきています。セブンズの場合、トライ後のキックもドロップゴールのみとしているようにとにかく素早く試合を進めます。トライ後のキックやペナルティキックに対して、15人制のようにタッチジャッジがゴールポストまで走っていってとなると時間がかかります。なので、インゴールにもう一人レフリーを置いています。また、セブンズでは多くのトライが、独走トライとなる場面が多いです。そのため、インゴールでの判定をしやすくするためにもインゴールジャッジを置いています。
セブンズの魅力
スピード感
ここまでルールの説明でも書いてきましたが、セブンズは何といってもスピード感を感じることができるのが、競技としての大きな魅力です。7分ハーフだと短いからそんなに得点が取れないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろスペースが広く、一気に抜き去ってしまえばトライをすぐに取りきれるので、たった7分でもかなり得点が入りやすいです。
また、前後半で1試合14分しかないというのも、すぐに終わるという点では観戦しやすいかなと思います。
・試合時間が短くスピーディー
一番の魅力は見やすいこと!
個人的にセブンズが最も魅力的だなと感じるのは見やすさです!セブンズは15人制と同じグラウンドを使いながら7人同士で試合を行うためスペースが広くなりますし、グラウンド上の人数が少ないので、スッキリしています。
15人制の場合、ブレイクダウン(接点)の攻防では、各チームとも3~4名、多い時は7人以上が絡んでいく場面もあります。ラグビーでよく人がぐちゃぐちゃと集まっている場面を見るかと思います。これがブレイクダウンで、このブレイクダウンの攻防は15人制の魅力なのですが、それぞれ複数名が絡んでいくと、ブレイクダウンで何が行われているのか見えないということも多いです。
一方で、セブンズの場合は、ブレイクダウンにかける人数が少ないですし、ブレイクダウンからボールが出るのも早いです。なので、観客席から見る際にすごく見やすく、ボールがどこにあるのかわかりやすいと感じます。
ラグビー観戦の難しさの1つに、ブレイクダウンで何しているのか見えにくい、ルールがわかりにくいと感じることだと思います。その点はセブンズはクリアになっており、ルールがわからなくい初心者でもわかりやすいゲームになっていると思います。
個人技の魅力
セブンズは7人同士と人数が少ないので、個人技で差がつく部分も多いです。例えば、チェンジオブペース(最初ゆっくり走って、スピードを一気にあげる)で抜き去るとか、独特のステップで抜き去るなど、スペースが広い分、個人技の凄さが際立って見えるかと思います。また、その個人技がすぐにトライに結びつくので、見ていて盛り上がりやすいゲームが多く見られます!
試合の様子
ここまで説明してきましたが、実際の7人制の試合の様子を見てもらうとイメージが湧いてくると思います。なのでこちらの映像をご覧ください。
まとめ
というわけで、セブンズは短い時間で少ない人数で行うため、スピード感・見やすさ・個人技がその大きな魅力だと思います。
東京五輪でもラグビーセブンズを楽しんでいきましょう!
また、特に春は全国でセブンズの大会が数多く開催されます。各地域での大会や大学生の大会など多くの試合が行われます。また、女子ラグビーは国内のサーキット大会もでき、セブンズの普及が進んでいます。
このように全国各地でセブンズが行われますので、皆さん是非お近くのセブンズを観にいってください!
7人制ラグビーの観戦にはこちらの本で理解しておくとより楽しめるかと思います。
また、ラグビーのレフリーのジェスチャーなど観戦時に"何が起きたか"を理解したいという方はこちらの本を読んでおくといいでしょう。試合中のレフリーのジェスチャーが何の反則なのかを写真付きで説明してくれています。ポケットサイズで持ち運びにも便利なので、ラグビー観戦時に持っておくと良いでしょう。
コメント