2016年11月13日(日)、第96回全国高校ラグビー大会大阪府予選の決勝が行われました。この決勝に勝てば年末年始に花園ラグビー場で開催される全国高校ラグビー大会に出場となります。大阪府からは花園出場は3校となっていますので、この大阪府予選も3つの地区に分けて行います。各地区の優勝校が花園出場を決める形となります。
すでに準決勝までは終わっており、決勝は以下の対戦となっています。
対戦カード | 時間 | |
---|---|---|
第1地区 | 東海大仰星-大阪朝高 | 11:00 |
第2地区 | 常翔学園-早稲田摂陵 | 12:30 |
第3地区 | 大阪桐蔭-大産大附属 | 14:00 |
前年度花園出場校である東海大仰星・常翔学園・大阪桐蔭に対して、大阪朝高・早稲田摂陵・大産大付属の3校が挑む構造となりました。
今回は第2地区の決勝である、常翔学園-早稲田摂陵の試合についてです。
第2地区決勝 常翔学園-早稲田摂陵
第2地区の決勝戦は常翔学園と早稲田摂陵との対戦になりました。
常翔学園は、この大会、興國高校相手に96-0、関西創価高校相手に108-0と圧倒し、決勝進出を果たしました。今年のチームも個々の力強い突破と、どこからでもトライを奪える攻撃力が素晴らしいチームになっています。まずは花園進出を決めて全国大会優勝を目指すことになります。
早稲田摂陵は、初の大阪府予選決勝進出。もちろん勝てば初の花園出場となります。春の総体予選ではCシードとなるも、この大会では、布施工科高校相手に40-12、準決勝では春の総体予選で21-19と惜しくも敗れた関大北陽高校相手に17-14で競り勝って初の決勝進出を決めています。チームの新たな歴史を作る試合となります。
前半
前半は常翔学園のキックオフで試合開始です。
常翔学園は前半1分、キックオフから相手が自陣へ蹴り返したところからボール持ち込み、敵陣へ入ると、最後は2番が抜け出し、フォローした5番へつなぎ、さらに4番にパス渡してトライ!常翔学園がいきなり先制トライを挙げます。
前半1分 常翔学園 7-0 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール成功
対する早稲田雪稜もその後のキックオフで敵陣深く蹴り込み、敵陣でのマイボールラインアウトとすると、ここからモール、さらにフェーズ重ねて攻めるも、最後裏へのキックが相手にすっぽりと入ってしまい、ここは大きく戻されます。
前半5分、上翔学園が敵陣でのマイボールラインアウトからフェーズ重ねると、9番がラックサイドついて抜け出し、7番へパスしてゴール前までゲイン。ゴール前ラックから今度は大きく右へ展開して最後右隅に14番がトライを決めて、追加点を挙げます。
前半5分 常翔学園 14-0 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール成功
その後、早稲田摂陵もキックチャージからマイボールにして、敵陣22m内でフェーズ重ねて攻撃。相手ノックオンがあり、スクラムから右に展開して残り5mまで迫るもラックでターンオーバーされます。すると今度は常翔学園がカウンター。左サイドゲインして敵陣入ると相手ペナルティでクイックで再開。今度は右に展開していき、徐々にゲインしていくと最後は14番が右隅ギリギリに飛び込んでトライ!ゴールも決まってさらに点差を広げます。
前半10分 常翔学園 21-0 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール成功
さらに攻め込む常翔学園。前半14分には相手ペナルティから残り5mの位置でのラインアウトを選択します。ここからモールを押し込み、最後は6番がインゴールでおさえてトライ!さらに点差を広げます。
前半14分 常翔学園 28-0 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール成功
なんとか得点を縮めたい早稲田摂陵は、前半17分、ハーフウェイライン付近のラインアウトからボールキープすると、縦に走り込んだ15番がパスを受けてライン抜け出してゲイン。さらにフォローした9番につないで一人かわして中央にトライ!早稲田摂陵もトライを返します。
前半17分 常翔学園 28-7 早稲田摂陵 早稲田摂陵、トライ!ゴール成功
が、その後は再び常翔学園がトライを奪っていきます。前半20分、敵陣深く入ってフェーズ重ねて攻撃続けると、最後左に回していき、11番から10番に内側返してトライ!流れを再び常翔学園に戻します。
前半20分 常翔学園 33-7 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール失敗
さらに前半25分、早稲田摂陵がハーフウェイライン付近でフェーズ重ねたところをラックでボール奪い、そこから4番が抜け、5番にパス渡すとそのまま左サイド走りきってトライを奪います。
前半25分 常翔学園 38-7 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール失敗
常翔学園はさらに前半残りわずかの時間で相手キックからカウンター。敵陣入ってボール継続すると、左サイドに回して12番から11番とつないで抜け出して11番が走りきり、トライ!さらに点差を広げます。
前半28分 常翔学園 43-7 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール失敗
前半はこのまま終了。常翔学園がリードして後半に入ります。
前半終了 常翔学園 43-7 早稲田摂陵
後半
後半は早稲田摂陵のキックオフでスタートです。後半に入っても常翔学園の勢いは止まりません。後半1分、常翔学園は敵陣入って相手ペナルティを誘うと、そこからクイックで再開。ゴール前迫ってフェーズ重ね、最後は右に展開して、14番が右サイドにトライ!ゴールは外れるも、後半も先に常翔学園がトライを奪います。
後半1分 常翔学園 48-7 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール失敗
その後はしばらく得点動かず、膠着した状態になります。早稲田摂陵はマイボールラインアウトからやや乱れたところを9番が抜け出してゲイン。チャンスを作りかけるもその後ノックオンで、ここは得点ならず。
逆に常翔学園も相手ペナルティかラインアウトを選択し、敵陣22m内入って攻め込み、最後裏にゴロパント蹴るも、これは早稲田摂陵がキープし、キックで返されて得点できません。
今度は早稲田摂陵が自陣から回していき、15番が大きくゲイン。ゴール前迫ると相手ペナルティがあり、今度はゴール前残り5mの地点でのマイボールラインアウトのチャンスを得ます。このラインアウトからボールキープして、インゴールまで残りわずかの地点でFWでフェーズ重ねていくも、最後はオーバーザトップのペナルティで、トライを奪うことができません。
次に試合が動いたのは後半14分。常翔学園がノックオンで早稲田摂陵ボールのスクラムとなるも、これを常翔学園がスクラム押し込んでターンオーバー。そこからNo8の位置に入った18番が左サイドに自ら持ち込んでそのままトライ!常翔学園が後半2本目のトライを奪います。
後半14分 常翔学園 55-7 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール成功
その後、試合が動いたのは後半22分、常翔学園は相手のスクラムコラプシングで敵陣でのマイボールラインアウトを選択。ここからFWでラック周辺を縦に押し込んでゲインしていき、最後は5番が押し込んでトライ!ゴールも決まり、さらに点差を広げます。
後半22分 常翔学園 62-7 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール成功
その後、早稲田摂陵もラインアウトからボールつないで、ややボール乱れたところで10番が大きくゲインしゴール前に迫るも、ラックでボール停滞して常翔学園ボールスクラムに。常翔学園に攻め込まれるも、最後はうまく絡んでノットリリースザボールを誘い、カウンターで敵陣まで持ち込むも、オーバーザトップで得点には至らず。
常翔学園は後半残りロスタイムになったところで、マイボールラインアウトから攻撃。ラックで6番がピックして縦をつくと、フォローした7番につないでトライ!さらに点差を突き放します。
後半30分 常翔学園 69-7 早稲田摂陵 常翔学園、トライ!ゴール成功
早稲田摂陵はその後キックオフから相手ボールこぼしたボールキープしてゴール前に迫ると、相手オフサイドのペナルティでスクラムを選択。そこからボールキープし、フェーズ重ねて残り5mまで迫るも最後は相手に絡まれてノットリリースザボールに。
常翔学園はこのボールをタッチに蹴り出してここで試合終了となりました。
試合終了 常翔学園 69-7 早稲田摂陵
試合を振り返って
この試合、序盤から常翔学園が個々の力強い突破とオフロードでつないでいき、ゲインする場面が目立ちました。また、トライも量産して大勝で花園進出を決めています。花園予選を通じて常翔学園は危なげなく全国大会行きを決めました。昨年度は初戦で敗れて年明けできなかっただけに、今年こそ全国制覇という思いも強いと思います。花園出場も通過点だと思うので、さらにここから仕上げていって、全国の強豪相手に立ち向かってほしいですね。
対する早稲田摂陵は、試合としては点差がつきましたが、アタックに関しては大きくゲインする場面もあり、通用するプレーがあるということはわかったと思います。今回が初めての決勝で、全国レベルの強豪との試合を行うことも多くはないと思いますので、こういった経験を積み重ねていけば、近い将来に全国大会出場も見えてくると感じさせる試合でした。
まとめ
この試合の結果、常翔学園が2年連続35回目の全国大会出場を決めました。間違いなく全国上位の実力はあるチームですので、花園では昨年の悔しさもぶつけて、さらに大きく活躍することを期待しています。
コメント