近畿大会2回戦の第3試合は常翔学園vs関西学院の一戦です。
常翔学園はここ2年花園出場を逃しており、今残っている世代は花園を経験したことのない世代となっています。とは言いながらも、今年は前評判も高く、サニックスワールドユース大会予選会で優勝。さらに大阪予選でも圧倒してこの近畿大会出場を決めました。
大阪府予選についてはこちらも参考ください→一歩抜き出た強さ~常翔学園vs大産大付属
1回戦は滋賀合同相手に126-0と大勝し、2回戦に臨みます。
秋の厳しい大阪予選を勝ち抜くためにも、厳しい試合の経験値を上げていく必要があります。そのためにも、この試合もそうですが、強い相手と対戦する機会を増やさないといけません。まずはこの試合に勝って選抜出場を決めておきたいところです。
対する関西学院高校は兵庫県新人戦に優勝し、この近畿大会出場を決めています。兵庫県の場合、報徳学園高校が最も強く、関西学院は2番手という年も多いです。ここ数年は毎年報徳学園に敗れ、花園進出を逃しています。
しかしながら今年は、その報徳学園を倒して近畿大会出場。1回戦は京都・洛北高校相手に26-5と競り勝ち、2回戦進出を決めました。
兵庫県新人戦についてはこちら→2強の争い~報徳学園vs関西学院
今年こそ花園へ、という思いも強いでしょう。この2回戦に勝てば選抜出場も決定します。何とか勝利して全国大会に出場し、さらなるレベルアップをしたいところです。
近畿大会 常翔学園vs関西学院
前半
前半は、関西学院のキックオフで試合開始です。試合序盤から常翔学園がボールポゼッション、地域的にも優勢に試合を進めます。最初にチャンスを作ったのも常翔学園。右サイドをゲインし、相手陣22mへと進むも、そこでつなごうとするもノックオンで得点ならず。その後も序盤はややノックオンが多く、チャンスを逃します。
対する関西学院は前半9分程、相手陣常翔学園が大きく蹴りだそうとしたボールにチャージ。転がったボールを取ればトライかという場面を作るも、こちらもノックオンで得点ならず。序盤は両チームともにややハンドリングエラーが目立ちました。
最初に得点を決めたのは、常翔学園。前半15分頃、連続攻撃で相手陣に進むと、ラックから9番→10番へとパス。10番が縦に鋭く走りこんで抜け出し、そのままトライ!ゴール決まって7-0と先制します。
さらにそのあとすぐ、再び常翔学園が攻め込むと、ゴール前でのラックから今度は左サイドへ展開。最後は15番が左隅にトライ!ゴールも決まり14-0とリードを広げます。
対する関西学院は前半残り5分程となったところで反撃。相手陣でのマイボールラインアウトからモールを形成。インゴール付近まで押し込むと、最後は9番がボールを持ち出し、右隅にトライ!ゴールも決まって14-7と7点差まで追い上げます。
前半はここで終了となります。
後半
後半は常翔学園のキックオフでスタートです。後半先に得点をあげたのは、常翔学園。後半3分程、相手陣でのマイボールスクラムからの攻撃で前進し、ラックとなると、FWで攻め込み、最後はインゴールに潜り込んでトライ!ゴールは外れ、19-7とします。
対する関西学院も後半10分頃に反撃。相手陣インゴールにあとわずかと迫ると、ここからFWでの連続攻撃。最後は4番が押し込んでトライ!ゴールは外れるも19-12と再び7点差に追い上げます。
両チームたがいにトライを奪い合う展開となった後半。後半15分頃には、今度は常翔学園。連続攻撃から大きく展開し、ゲインしていくと、最後は10番から12番への戻しパスで12番が抜け出してそのまま中央にトライ!ゴール成功で26-12と差を広げます。
一方で関学も負けていません。残り10分を切ってきたところで、再びゴール前へと攻め込むと最後は中央に飛び込んでトライ!26-19と再び7点差まで追い上げます。
ここからは追い上げムードで勢いに乗る関西学院ペースに。常翔学園の足が少し止まってきたこともあり、再度相手陣5mまで攻め込むも、最後は相手に絡まれてノットリリースでチャンスをつぶします。
常翔学園はなんとかこのピンチを凌ぐと、残りわずかとなったところで、相手陣に攻め込むと、この日何度も強く前進していた4番がとどめのトライ!ゴールは外れるも31-19と12点差に広げます。
結局試合はこのまま終了。31-19で常翔学園が関西学院を倒し、準決勝進出決定。全国選抜高校ラグビー大会への切符を手にしました。
全体を通じて
この試合が始まるまでは、常翔学園が有利だと思っていました。結果的には常翔学園が勝ったものの、試合を通じてみると、予想以上に関学が善戦した試合といえるかもしれません。
個々の素材、パワー、フィジカル、スピードやスキルといった部分は常翔学園の方が優れていたと思います。実際、常翔学園がディフェンスラインをゲインする場面は多くみられ、一気に抜け出す場面も多々ありました。
とはいえ、関西学院はここから粘り強く守ったと思います。抜かれてもそのまま独走トライを許す場面が少なく、FB中心にしっかりタックルで防いだこと、また抜かれた後、各選手がしっかりと戻って次に備えたことで、相手に大きく引き離されることがなかったと思います。
また関西学院は攻撃面でも簡単にトライを奪う場面は少なく、モールでのトライや、FWで近場を攻めて奪い取ったトライなど、粘り強く得点を重ねていきました。
攻守において、相手に引き離されず、くらいついていったことで、相手にも焦りが生まれたと思います。特に後半20分過ぎからは完全に関学が勢いに乗っていました。結局は守りきられて、だめ押しされてしまったのですが、よく追いつめていたと思います。
対する常翔学園ですが、個々の強さという面では、大阪でもトップクラスであることは間違いないと思います。この試合でも、FWで相手にタックル受けながらも前進する場面やディフェンスラインを抜いて大きくゲインする場面が多々見受けられました。
もったいなかったのはその後だと思います。ラックができる前にパスを通そうとしてノックオンになってしまったり、ゲインした後にフォローが遅れてディフェンスに戻られてしまうなど、抜けた後の場面でチャンスを広げることやトライにつなげるプレーが少なかったように見えました。また、後半20分過ぎになると、疲れがみえており、動きが鈍くなってきたのも課題になるかなと思います。
もちろんけがが明けてすぐという選手もいるかと思いますので、まだまだこれからだと思いますが、やや焦りも見られたように思います。
とは言いつつも、しっかりと勝ちきって選抜出場は決めていますし、苦しい試合にはなりましたが結局追いつかれることもなく、最後は突き放して逃げ切ったのは大きな収穫だと思います。
この試合での注目の選手は常翔学園の8番の選手。一瞬PRかと思うような大きな体格で相手が2~3人で止めないと止まらない力強い突破を何度も見せてくれました。将来が楽しみな存在ですね。
この試合の後、関西学院は抽選で選抜出場はなりませんでした。個人的には関西学院も選抜で見たかったという思いもあります。それくらいこの日の試合の中では想像以上によく頑張っていたかと思います。今年こそ是非花園で見たいと思うチームですね。
対する常翔学園は、3月23日(月)の準決勝で東海大仰星と対戦。33-8で敗れて3位決定戦にまわることになりました。まだまだこれからではありますが、やはり大阪勢相手には負けたくないでしょう。選抜大会や秋の大阪予選ではさらに力強くなった常翔学園をみたいですね。
※なお、得点に至る過程や選手番号などは個人で見た範囲で書いてます。もし実際と異なっていたらすみません。
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