2016年2月13日(土)兵庫県高校ラグビーフットボール新人戦(近畿高校ラグビーフットボール大会予選)が神戸市のJR西日本グラウンドで行われました。
この日の対戦はシード校決定戦(3位決定戦)と決勝の2試合となっています。
対戦 | キックオフ時間 | |
---|---|---|
3位決定戦 | 市立尼崎-科学技術 | 13:00 |
決勝 | 関西学院-報徳学園 | 14:15 |
今回は3位決定戦の市立尼崎と科学技術の試合についてです。
市立尼崎-科学技術
市立尼崎高校は、昨年度もベスト4に入ったチーム。ここ数年はベスト4常連のチームとなっています。昨年の花園予選では、初戦で夢野台高校に85-0で勝利すると、川西北陵高校にも31-0で勝利して準々決勝へ。準々決勝では神戸甲北高校に38-21で勝利して、準決勝に進みました。準決勝では関西学院高校と対戦。ここで40-7で敗戦し、大会を終えています。
今大会は、初戦、北摂三田高校に118-0で快勝すると、続く3回戦でも姫路工業相手に80-0で勝利、準々決勝では県立伊丹高校相手に51-12で勝利し、準決勝に進出します。準決勝では報徳学園高校相手に43-5と敗れ、今回の3位決定戦に挑むことになります。
対する科学技術高校は、こちらも兵庫県の上位常連校。昨年の花園予選は、初戦で北摂三田高校相手に43-5で勝利すると続く3回戦では合同チーム相手に85-7で勝利。準々決勝に進みます。準々決勝は甲南高校相手となりましたが、接戦の末14-18で敗戦。ベスト8で大会を終えることになりました。
今大会は2回戦で六甲アイランド高校相手に37-10で勝利すると、3回戦は兵庫工業相手に59-0で勝利。準々決勝に進みます。準々決勝は昨年花園予選で敗れた甲南高校相手に37-0で快勝。準決勝では花園出場の関西学院相手に、後半残りわずかまでリードするものの、最後に、トライとその後のコンバージョンを決められて17-19で逆転され、あと一歩で敗れることになりました。
昨年の新人戦では40-19で市尼が勝利していますが、兵庫県民大会では、残り時間わずかで科技高が逆転し、21-17で科学技術が勝利しています。この試合は果たしてどうなったでしょうか。
前半
前半は科学技術のキックオフで試合開始です。
キックオフから敵陣でのマイボールラインアウトとなった科技高はラインアウトからモール押し込んで最後は8番が飛び込んでトライ!ゴールも成功し、開始早々いきなり科技高が先制します。
市立尼崎0-7科学技術 科学技術のトライ!ゴール成功 前半1分
対する市立尼崎もその後、すぐに取り返します。前半3分、科学技術が自陣でキックしたボールが味方に当たり、こぼれたボール拾うと、そこから左に展開。最後は13番が抜け出してトライを奪います。ゴールは外れるもすぐに市尼が取り返します。
市立尼崎5-7科学技術 市立尼崎のトライ!ゴール不成功 前半3分
その後は科技高が再びチャンスを作ります。相手ペナルティからゴール前ラインアウトとすると、モール押し込んでさらに相手ペナルティ。中央からFWで攻めるもここはグラウンディングきず。その後ノックオンがあり、相手ボールに変わります。
前半10分頃、科技高は相手スクラムにプレッシャーをかけて、ペナルティを誘うと、そこからクイックで再開し、中央に押し込んでトライ!ゴール成功で科学技術が2トライ目を奪います。
市立尼崎5-14科学技術 科学技術のトライ!ゴール成功 前半10分
対する市尼は相手ノックオンで敵陣スクラムから攻撃。一度は相手にボール奪われるも、科技高にノックオンがあり、再びスクラムとすると、スクラムから攻撃し、敵陣で科技高がペナルティ。市尼はすぐに再開し、4番がギャップ抜け出し、ゴール前まで運ぶと、その後中央でのラックからFWで持ち込んでトライ!ゴール成功で再び2点差とします。
市立尼崎12-14科学技術 市立尼崎のトライ!ゴール成功 前半16分
その後のキックオフで科技高7番が相手に空中でタックルにいってしまい、シンビン。1人少なくなります。が、その後科学技術は自陣でフェーズ重ねてからSHが裏にキック。市尼はタッチに蹴りだし、科学技術ボールのラインアウトに変わります。
前半21分、科技高はラインアウトからモール押し込むと、その後右に展開。右サイドで12番にボールが渡ると、相手タックル受けるも倒れず持ち込んでトライを奪います。
市立尼崎12-19科学技術 科学技術のトライ!ゴール不成功 前半21分
その後は科学技術が自陣でのラインアウトでノットストレートがあり、相手ボールに変わると、市尼が敵陣で攻撃。科学技術にオフサイドがあり、市尼がゴール前でラインアウトのチャンスを作ります。が、ここはノットストレート。チャンスを活かせず、前半はこのまま終了となります。
市立尼崎12-19科学技術 前半終了
後半
後半は市立尼崎のキックオフでスタートです。
後半序盤はお互いにせめぎ合う展開に。科技高がまずボールキープして攻めるも、市尼が相手ノックオンを誘ってマイボールスクラムに。が、その後市尼にノットリリースザボールがあり、科技高が敵陣でのラインアウトとします。その後、さらに市尼にペナルティがあり、科技高がゴール前でラインアウトとすると、そこからモール形成。うまく右にずらしながら前進してトライを奪います。
市立尼崎12-24科学技術 科学技術のトライ!ゴール不成功 後半7分
その後は市立尼崎が敵陣深くに攻め込みます。敵陣ゴール前で科技高のペナルティがあり、市尼はクイックで再開。左にパスを出します。が、これを科技高14番がインターセプトすると、そのまま相手ゴールラインまで独走してトライ!市尼は攻め込みながらトライを奪われてしまいます。
市立尼崎12-31科学技術 科学技術のトライ!ゴール成功 後半9分
その後互いに一進一退の攻防を見せるも、得点には至らず。そこから徐々に科技高がペースを握っていきます。後半15分過ぎには敵陣22mに迫って科技高がフェーズ重ねると、最後はラックから右に展開。10→12→14と展開するもここはノックオン。相手ボールに変わります。
その後市尼が自陣から攻めるもこちらもノックオンがあり、科技高ボールに変わると、科技高はゴール前に迫ったところで、市尼がペナルティ。そこから FWで押し込んで、最後は9番が抜け出して中央にトライ!ゴール成功で科技高がさらに突き放します。
市立尼崎12-38科学技術 科学技術のトライ!ゴール成功 後半22分
なんとかトライを奪いたい市立尼崎は、ロスタイムに入って、敵陣での相手ボールラインアウトをスチール。そのまま左へ展開し、最後11番が左サイドにトライ!5点を返します。
市立尼崎17-38科学技術 市立尼崎のトライ!ゴール不成功 後半32分
その後、まだ時間は続き、市尼が自陣からも攻め込むも、最後は相手ボールに。タッチに蹴りだしたところで試合終了となり、科学技術高校が勝利しました。
市立尼崎17-38科学技術 試合終了
試合を振り返って
この試合、序盤から科学技術高校のモールでの強さや接点での強さが際立つ試合となりました。今大会を見ていてもフィジカル面では科技高はかなり鍛えられており、上位陣相手にも十分通用する力を見せたと思います。加えて、展開して取りきる力も持っているため、今年はかなり期待できるチームだなという印象を受けました。その一方で、近場を簡単に抜かれるケースもあって、ディフェンス面が整備できるとさらに上を目指せるのではないかと思います。
対する市立尼崎高校ですが、序盤いきなりモールでトライを奪われたものの、その後すぐに取り返したことで、落ち着いたかなと思います。前半は相手に押される場面が多かったものの7点差で乗り切りました。ポイントは後半9分、敵陣深くに攻め込みながら、インターセプトで一気にトライを奪われてしまった場面。あそこで大きく点差を開けられたことで、その後の選択も苦しくなってしまったかと思います。
まとめ
この試合の結果、科学技術高校が兵庫県新人戦3位という形になりました。今年は例年以上に強力なチームになっており、さらに上を目指せるチームとなっていますので、ここから先、しっかり練習をして、上位2校を倒していってもらいたいですね。
コメント