2015年6月14日(日)、兵庫県フェニックスラグビーカーニバルが行われました。この日はメイングラウンドでは神戸製鋼OBとワールドOBの試合が、また、メインの試合としては関西学院大と慶應義塾大の試合が行われました。
また、これと並行して、サブグラウンドでは、第69回兵庫県民大会少年の部としてシード校決定戦(3位決定戦)と決勝戦が行われました。また、この試合のほかにも、男子セブンズ、社会人選抜vsクラブ選抜、女子セブンズ 神戸甲北高vsU-18女子選抜の試合も行われ、さらにはスクール交流会も開催され、多くの人が参加したイベントとなりました。
サブグラウンドで行われた2試合目は兵庫県民大会の決勝戦、関西学院高校と報徳学園高校の対戦となりました。
関西学院vs報徳学園
関西学院高校はこの大会ではシード校として登場。1回戦は県立芦屋高校に75-0で勝利。準々決勝では、神戸高校相手に67-12で勝利。準決勝も、科学技術高校相手に49-0と快勝でこの決勝まで勝ち上がってきました。
対する報徳学園高校は、今大会、シード校としてトーナメントから出場。初戦で武庫之荘総合高校相手に132-0で勝利。準々決勝でも六甲アイランド高校相手に97-0と圧勝し、準決勝でも市立尼崎高校相手に67-0で勝利。順当にこの決勝に勝ち上がってきました。
この両チームは決勝戦では常に対戦している相手。昨年度は全国出場は報徳学園でしたし、報徳学園が3年連続花園出場中です。一方で今年の新人戦では、関西学院高校が報徳学園に勝利し、新人戦優勝は関西学院となりました。
この日も熱戦となることが予想され、多くの観客が詰めかける中、優勝したのはどちらのチームだったでしょうか。
前半
前半は、関西学院高校のキックオフで試合開始です。前半は関西学院が敵陣でプレーする場面が目立ちます。
関学はまず敵陣でフェーズ重ねながら、2番がゲインし、チャンスを作るも、ここは相手に絡まれ、ノットリリースザボール。その後相手ラインアウトボールを奪うもノックオン。序盤のチャンスを逃します。
その後、報徳学園が敵陣に入り、相手ノックオンにより、マイボールスクラム。ここから攻め込みたいところでしたが、関西学院がターンオーバーし、自陣から攻め込みます。
関西学院は敵陣へと入るものの、ノックオンとなり、相手ボールスクラムに。互いに攻め込むも、両者とも得点入ることなく、前半5分が過ぎます。
得点が動いたのはここから。関西学院が相手キックから、10番がハイパント。このボールを奪ってマイボールにすると、15番がゲインし、敵陣22m内へと進みます。後半7分、ゴール前でFWで近場を攻め、残り数mとすると、最後は2番が潜り込んでいってトライ!ゴール成功で7-0と関西学院高校が先制します。
キックオフからは、報徳の危険なタックルがあり、関学がハーフウェイライン付近からラインアウト。その後、互いに蹴り合いの時間があり、関学が敵陣入ったところでのラインアウトから再開。
ここから攻め込むもアクシデンタルオフサイドで報徳ボールへと変わります。報徳学園は自陣スクラムからキックで敵陣へと戻すも、ボールが伸びすぎてデッドボールラインを割り、関学ボールのスクラムに変わります。
関学はこのスクラムからの展開でFW陣で攻めます。押し込んでいき、敵陣へと迫るも、最後はノックオンとなり、得点にはつながらず。前半15分が過ぎます。
その後、互いにキックの応酬から関学がハーフウェイライン付近でのラインアウトから再開。ここで関学がペナルティを犯し、報徳学園が敵陣残り30m付近でラインアウトとなります。
報徳学園はこのラインアウトからのボールをキープし、モールで押し込むと、そこからバックス展開して攻撃するもここはノックオン。この後も得点は動かず、前半20分が過ぎます。
報徳学園は自陣でのラインアウトからキックで陣地を返そうとするも、ここはダイレクトタッチに。関西学院はこのチャンスでラインアウトから攻めるも最後はノックオン。その後は互いにボールを持ってキックや持ち込んで攻め込むも、大きなチャンスはなく、時間は前半残り5分を切ってきます。
前半最後は報徳学園が攻め込みます。相手ペナルティから敵陣へ入り、ラインアウト。そこから攻め込み、さらに相手オフサイドで敵陣22m内へと進むと、そこからフェーズを重ねて2分以上アタックが続きます。が、最後はノックオンで得点は動かず。
その後のスクラムから関学がタッチに蹴りだして、前半終了。前半は7-0で関西学院高校がリードし、後半に入ります。
後半
後半は報徳学園高校のキックオフでスタートです。
後半、先にチャンスを作ったのは報徳学園。相手のダイレクトタッチキックで、敵陣でのラインアウトとなると、そこからハイパントキック。相手ノックオンがあり、敵陣でのスクラムとなると、そこから6番がゲインし、10番が右サイドにキック。これをキャッチするも、タッチに押し出されて、ここはいったん相手ボールに変わります。
その後、関学がキックで陣地を戻し、ハーフウェイライン付近から報徳がラインアウトで再開。モールから左へ展開するもここはボールがタッチにでてしまいます。
その後、関学がキックで戻し、報徳は自陣から蹴らずに攻め込みます。相手のオーバーザトップがあり、マイボールラインアウトとした報徳はそこからフェーズを重ね、敵陣へと進むと、右に展開し、攻めるもノックオン。関学ボールスクラムとなり、関学は自陣からハイパント。これを報徳15番がキャッチし、フェーズを重ねるも、ここは相手に絡まれてノットリリースザボール。
後半に入り、報徳学園が攻め込む時間が長くなるも、得点は動かず、7-0で後半15分が過ぎていきます。
その後、関学が相手キックからカウンターで20番がゲインするもノックオン。報徳学園は自陣からのスクラムで、蹴らずにボール動かすと、相手ペナルティとなり、敵陣22mでのラインアウトのチャンスを得ます。
ここで報徳学園はボールキャッチし、モールで押し込みます。その後外に展開するもここはペナルティとなり、チャンスを活かせず。関学がハーフウェイラインまで戻して、ラインアウトとします。
今度は関学が敵陣へと攻め込む時間に。ラインアウトからモール、その後右サイドを14番がゲインし、さらにつないでいくも最後はノックオン。後半20分が過ぎます。
その後、チャンスを作ったのは関学。ハーフウェイ欄付近から連続攻撃で敵陣へと入ると、残り35m付近で報徳がオフサイド。ゴールほぼ中央の位置からショットを選択し、PG成功。これで関学が10-0とリードを広げ、残り5分を切ってきます。
その後のキックオフから関学は自陣でオフサイドのペナルティ。報徳学園が残り5mでのラインアウトとすると、そこからモールで攻め、停滞したところからボールを出すも痛恨のノックオン。チャンスを活かせず、関学ボールのスクラムに変わります。
ロスタイムに入り、報徳学園は最後の攻撃。報徳はハーフウェイライン付近でのラインアウトからフェーズを重ねると、相手のペナルティでクイックで攻め込みます。まずは6番がゲインし、その後、右サイドに展開。最後は15番が右隅を抜け出してトライ!最後に1トライを奪い、10-5とします。その後ゴールが外れたところで試合終了。
結果、10-5で関西学院が報徳学園に勝利し、兵庫県民大会優勝となりました。
試合を振り返って
この試合、ロースコアの試合になりましたが、互いにチャンスは作りながらも最後までディフェンスが崩れる場面が少なく、拮抗した試合となりました。
勝利した関西学院は、ディフェンスで安定していたことが大きかったです。最後に1トライを取られたものの、それまでは相手に攻められてもピンチは少なかったです。ディフェンスラインを形成する早さ、特にチャンネル0、チャンネル1の近場がすばやくラインを作ることで、大きく崩れることがなく、安定した試合運びとなりました。相手のバックス展開からの突破に対しても、確実にタックルを決める、抜け出されそうな場面でもタックルが外されることなく、決めており、安定した守りを見せていたと思います。
また、これまでもそうでしたが、FW陣の強さも目立ったかと思います。攻撃の起点はまずFWで攻めてから、というケースが多いのですが、そこでしっかりとゲインするケースも目立ちました。攻守にFW陣の踏ん張りがきいていた試合となりました。後は、試合運びでいっても、残り5分の場面ではしっかりとPGを決め、10点差とすることで勝負を決めたと思います。
対する報徳学園ですが、本来であれば、試合終盤のトライのような形をもっと多く作りたかったところでしょう。序盤からミスやペナルティもあって自陣でのプレーが増えてしまったこと、また敵陣でプレーしても中々ゲインできず、最後はミスで相手ボールという場面が多くありました。
これまで圧倒的な展開力と、バックス陣が一気に抜き去って奪いきる場面がこの大会通して多かったのですが、この試合ではそういった場面が作れず、苦労した試合になってしまったかと思います。
とはいっても悪い場面ばかりではなく、ディフェンス面でいえば、前半から自陣でのプレーは多かったものの、大きなピンチを招く場面はそこまで多くなく、しっかりと止めた場面や、ボールに絡んで反則を誘う場面も多く、安定していたと思います。
試合の流れとしては、後半に自分たちがうまくゲインライン切る場面が増えたところで、得点を奪いたかったところでしょう。そこで決めていればまた違った展開になったかと思います。
いずれにしても点差が示すように、この両チームの差はほとんどなく、面白いゲームになりました。
全体を通じて
関西学院はこれで4年ぶりの兵庫県民大会の優勝となりました。新人戦でも接戦を制し、この大会でも優勝ということで、秋の花園出場に向けて、好ゲームが続いていると思います。この勢いで、今年こそ花園出場目指して、夏をしっかりと過ごしてほしいと思います。
対する報徳学園。今年は新人戦でも準優勝、今回も準優勝と続いていますが、地力はありますし、秋まではまだまだ時間もあります。さらにレベルアップして、秋にはリベンジできるよう頑張ってほしいと思います。
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