日本チームのヒト・コミュニケーションズ サンウルブズが2016シーズンから参戦することとなったスーパーラグビー。そもそも、スーパーラグビーってどんなもの?という方も多いと思います。そこでスーパーラグビーについてまとめていきたいと思います。
2018年シーズンのサンウルブズについて(試合日程など)はこちらも参考にどうぞ。
https://goto2019.com/sunwolves-2018-members/
スーパーラグビーの歴史は?
まずはスーパーラグビーの歴史を振り返っておきましょう。
プロ化前(1986~1995)
スーパーラグビーの起源は、遡ると1986年のサウスパシフィック・チャンピオンシップというものから始まっています。当時はまだラグビーユニオンとしては、プロ化されていませんでした。ここでは、オーストラリアから2チーム、NZから3チームとフィジーの6チームでの対戦となっていました。その後1992年にスーパー6と名称を変更。今のスーパーラグビーという名称への発端となっています。
その後93年に南アフリカチームも参加し、合計10チームに。名称もスーパー10に変更になります。また、このときの参加チームは、オーストラリアから2チーム、NZから4チーム、南アフリカから3チーム、そして当時パシフィックトライネーションズと呼ばれていたフィジー・トンガ・サモア(当時は西サモア)の優勝国1チームから構成されていました。
この時点で、NZチーム、南アフリカチームはNZ州代表の上位4チームと、カリーカップと呼ばれる南アフリカ国内の州代表の対抗戦上位3チームが参加することになっています。あくまで、各国内の地域代表が参加するというところが、現在にもつながってきています。
プロ化後(1996~2015)
1995年に大きな転機が訪れます。それがラグビーのプロ化です。正確にはラグビーにはラグビーユニオン(通常日本でラグビーを指す場合はこちら)とラグビーリーグ(13人制ラグビー・日本ではあまり浸透していません)があり、リーグはプロ化されていたものの、ユニオンはアマチュアリズムが浸透していました。が、95年にラグビーユニオンもプロ化されます。
これを受けて、新たにNZ協会と南アフリカ協会、さらにオーストラリア協会の3つのラグビー協会がSANZARを設立。このSANZARが運営するプロリーグとして96年からスーパー12がスタートします。
当時の12チームは以下のチームになります。
地域 | チーム名 |
---|---|
ニュージーランド | |
オークランド | ブルーズ |
ワイカト(ハミルトン) | チーフス |
カンタベリー(クライストチャーチ) | クルセイダーズ |
オタゴ(ダニーデン) | ハイランダーズ |
ウェリントン | ハリケーンズ |
オーストラリア | |
キャンベラ | ブランビーズ |
ニューサウスウェールズ(シドニー) | ワラタス |
クイーンズランド(ブリスベン) | レッズ |
南アフリカ | |
ハウテン(プレトリア) | ブルズ |
西ケープ(ケープタウン) | ストーマーズ |
ハウテン(ヨハネスブルグ) | キャッツ※ |
クワズール・ナタール(ダーバン) | シャークス |
※キャッツは2006年からはライオンズと名前を変更しています。
NZから5チーム、オーストラリアから3チーム、南アフリカから4チーム参加し、スーパー12がスタートしました。
その後2006年に、2チームが加わり、14チームに変更。名称をスーパー14に変更します。この際、加わったのはオーストラリアからフォース(西オーストラリア・パース)、南アフリカからチーターズ(フリーステイト・ブルームフォンテーン)の2チーム。これで14チームでの対戦に変わります。
さらに2011年にオーストリアからレベルズ(ビクトリア・メルボルン)が加わり15チームに。この際、スーパー14からスーパーラグビーと名称を変更。スーパーラグビーという名前に変わって、今に繋がっています。
2013年には、南アフリカの中からキングズ(東ケープ・ポートエリザベス)が昇格。逆にライオンズは降格となるも、2014年にはライオンズが再びスーパーラグビーに復帰。逆にキングズが降格となって、2015年シーズンまで終了しました。
サンウルブズなど加入で18チームに(2016~2017)
そして、2016年シーズンからさらに3チームが参戦することが決定。2013年にスーパーラグビー参戦していたキングズがまず南アフリカから参加が決定。2チーム目として、近年どんどん力をつけてきているアルゼンチンからジャガーズがアルゼンチン協会から設立されて参加決定。(ジャガーズの名称は参加決定より後に決まっています。)
もう1枠は日本と、シンガポールで争うことになりました。一時はシンガポールが有力となりかけたものの、参加枠としては日本の参加が決定。一方で、日本チームは、日本だけでなく、ホーム開催をシンガポールでも3試合行う形になりました。
その後、日本から参加のチームの名称が「サンウルブズ」に決定。2016年から参加となりました。
また、2016年から参加の3チームは南アフリカグループに属することも決定。今季は南アフリカに8チームが所属し、オーストラリア・NZグループに10チームが所属。
2つのグループはさらに2つずつ合計4つのカンファレンスに別れます。日本はアフリカカンファレンス1に属し、日本チームであるサンウルブズの他には、ブルズ・チーターズ・ストーマーズが属することになりました。
2016年~2017年の参加チーム一覧は以下を参照ください。
地域 | チーム名 |
---|---|
オーストラリア・NZグループ(10チーム) | |
ニュージーランドカンファレンス(5チーム) | |
オークランド | ブルーズ |
ワイカト(ハミルトン) | チーフス |
カンタベリー(クライストチャーチ) | クルセイダーズ |
オタゴ(ダニーデン) | ハイランダーズ |
ウェリントン | ハリケーンズ |
オーストラリアカンファレンス(5チーム) | |
キャンベラ | ブランビーズ |
ニューサウスウェールズ(シドニー) | ワラタス |
クイーンズランド(ブリスベン) | レッズ |
西オーストラリア(パース) | フォース |
ビクトリア(メルボルン) | レベルズ |
南アフリカグループ(8チーム) | |
アフリカカンファレンス1(4チーム) | |
ハウテン(プレトリア) | ブルズ |
西ケープ(ケープタウン) | ストーマーズ |
フリーステイト(ブルームフォンテーン) | チーターズ |
日本(東京) | サンウルブズ |
アフリカカンファレンス2(4チーム) | |
ハウテン(ヨハネスブルグ) | ライオンズ |
東ケープ(ポートエリザベス) | キングズ |
クワズール・ナタール(ダーバン) | シャークス |
アルゼンチン(ブエノスアイレス) | ジャガーズ |
3チーム削減で15チーム時代に(2018~)
2017年シーズンまではスーパーラグビーはチーム数拡大路線を進んでいましたが、2018年シーズンからは3チームが削減。削減チームについては紆余曲折ありましたが、オーストラリアからフォース、南アフリカからはキングスとチーターズの2チームが削減されることになりました。
NZからは5チーム、オーストラリアからは4チーム、南アフリカからは4チーム、これにアルゼンチンから参戦のジャガーズと日本からのサンウルブズの合計15チームとなりました。これにより、カンファレンスも変更があり、NZ、オーストラリア、南アフリカの3カンファレンス制に戻り、ジャガーズが南アフリカカンファレンスに、サンウルブズはオーストラリアカンファレンスに移りました。
サンウルブズからすると、それまでの2年間で南アフリカへの移動で時間がかかることが多かったのですが、アウェイゲームが日本から直行便で行けるオーストラリアでの試合が増えるので、移動距離的には楽になったと言えます。
2018年の参加チーム、ディビジョンの分け方は以下を参照ください。
地域 | チーム名 |
---|---|
ニュージーランドディビジョン(5チーム) | |
オークランド | ブルーズ |
ワイカト(ハミルトン) | チーフス |
カンタベリー(クライストチャーチ) | クルセイダーズ |
オタゴ(ダニーデン) | ハイランダーズ |
ウェリントン | ハリケーンズ |
オーストラリアディビジョン(5チーム) | |
キャンベラ | ブランビーズ |
ニューサウスウェールズ(シドニー) | ワラタス |
クイーンズランド(ブリスベン) | レッズ |
ビクトリア(メルボルン) | レベルズ |
日本(東京) | サンウルブズ |
南アフリカディビジョン(5チーム) | |
ハウテン(プレトリア) | ブルズ |
西ケープ(ケープタウン) | ストーマーズ |
ハウテン(ヨハネスブルグ) | ライオンズ |
クワズール・ナタール(ダーバン) | シャークス |
アルゼンチン(ブエノスアイレス) | ジャガーズ |
試合方式は?
ではスーパーラグビーの試合方式を見ていきましょう。
リーグ戦
スーパーラグビーはまずはリーグ戦が行われます。リーグ戦は2月下旬から開催。毎週試合が行われ、7月ごろまでリーグ戦が行われます。ただし、6月はウィンドウマンスと呼ばれる国同士の試合が行われる時期になっていますので、スーパーラグビーも試合はなくなります。残りの週で試合が行われます。(各チーム試合のない週(bye week)が設定されています。)
試合は全部で120試合。1チーム辺りは16試合行うことになります。
サンウルブズは、2017年までの2年間は南アフリカカンファレンス1に所属していましたが、2018年からはオーストラリアカンファレンスに変わりました。オーストラリアカンファレンスの4チームとの試合はホーム&アウェイで合計8試合行われ、残りの8試合は別カンファレンス(南アフリカカンファレンスとニュージーランドカンファレンス)との対戦になります。
ファイナルシリーズ7試合(トーナメント戦)
リーグ戦が終わると、8チームによるファイナルシリーズがトーナメントで行われます。
トーナメント進出となるのは、まず、各カンファレンスの1位チームの3チームが進出決定となり、これに加えて、3チームを除くポイント上位の5チームがファイナル進出となります。
この8チームのトーナメントで最後優勝チームが決定します。
見どころは?
このスーパーラグビーの見どころはどんなところにあるでしょうか。
1つは、南半球の各国代表チームがこのスーパーラグビーで活躍する選手が多く、個々の能力が優れた選手が多く存在していることでしょう。2016年のW杯では、ベスト4に進んだ国はすべて南半球の国でした。(2016年W杯成績 優勝:NZ、準優勝:オーストラリア、3位:南アフリカ、4位:アルゼンチン)
また、最初の方でも書きましたが、スーパーラグビーは各国の州代表選手が集まるリーグです。例えば、NZではITMカップと呼ばれるニュージーランドの各州代表選手権が行われます。この選手権で活躍した選手がスーパーラグビーのチームと契約して、スーパーラグビーに臨むという形になり、州代表から活躍してきた若手選手もスーパーラグビーで活躍して一躍トップ選手になる、というのもよくあります。これまで名の知れた選手だけでなく、新たに活躍する選手を見ることができるのもこのスーパーラグビーの特徴でしょう。
さらに、日本チームであるサンウルブズが参加するのももちろん大注目です。日本国内でスーパーラグビーの試合が見れるということもありますし、日本国内の選手が海外の選手たちと戦う場が広がったという点も重要かと思います。
また、トップリーグに参戦していた外国人選手がスーパーラグビーで別のチームでも見られるというケースも増えています。日本に住んでいて馴染みのある選手が増えてきているので、より身近に感じられるようになってきたかと思います。
まとめ
サンウルブズの参戦により、日本国内でもこれまで以上に注目を集めることになったスーパーラグビー。国内での観戦も可能になるので、これまで以上に身近な存在になっていくと思います。皆さんも、スーパーラグビーの試合を是非見に行ってみてください。
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