【選抜高校ラグビー】大阪桐蔭vs東福岡

高校ラグビー
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選抜高校ラグビー決勝トーナメント、第3試合はこの日の中でも最も注目された試合。大阪桐蔭vs東福岡の試合です。

大阪桐蔭は、一昨年の全国選抜高校ラグビーの優勝校。大阪府新人戦を勝ち抜くと、近畿大会ではベスト4をかけた試合で天理高校と対戦。惜しくも敗れたものの、選考により、近畿5番目の枠で全国選抜高校ラグビー大会に出場となりました。

全国選抜の予選リーグでは長崎北陽台(長崎)、国学院久我山(東京)、石見智翠館(島根)と同グループに。厳しいグループでしたが、長崎北陽台を24-12で破ると、国学院久我山も51-26で勝利、最終戦も40-7で石見智翠館を破り、3連勝で決勝トーナメント進出を決めました。

対する東福岡は、昨年の全国選抜高校ラグビーの優勝校。昨年度は高校3冠も達成しました。今年に入ってからも新人戦福岡予選を優勝すると、九州高校新人大会も圧倒して優勝。九州1位で全国選抜出場を決めました。

予選リーグでは、仙台育英(宮城)、松山聖陵(愛媛)、静岡聖光学院(静岡)と対戦。ここも3試合とも圧勝で決勝トーナメントに進出を決めました。

去年の王者と一昨年の王者の対戦。果たしてどうなったでしょうか。

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前半

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前半は東福岡のキックオフで試合開始です。

試合は序盤、互いに攻め合う展開に。中盤からSH9番がディフェンスギャップを抜けて一気に相手陣まで進むも、ここはペナルティとなり、得点には至りません。

その後は東福岡がチャンスを作ります。自陣から攻め込むと、まずは13番が抜け出しハーフウェーライン付近まで戻すと、ラックから右に展開。右サイドで12番が抜けると、内側の10番にオフロードパス。10番がそのまま抜けて、ディフェンスかわしてトライ!ゴールも決まって7-0とリードします。

その後も、東福岡が相手陣で攻め込む時間が続きます。インゴールまで残り数mというところまでフェーズを重ねられるも、大阪桐蔭がこの時間を何とか守り切ります。すると流れは大阪桐蔭に傾いていきます。大阪桐蔭はキックでうまく陣地を確保し、さらに徐々にボール保持率をあげていきます。

前半20分頃、ゴール前でペナルティをもらってからハイパントキック。こぼれたボールを拾って再びゴール前に攻め込むと、ディフェンスが手薄な左へ大きく展開。最後は13番にボールが渡り、左サイドにトライ!ゴールは外れるも5-7と2点差まで追い上げます。

その後は互いに攻めるもミスもあり得点に至らず、前半も残りわずかとなります。前半最後に、大阪桐蔭が9番のゲインからボール継続し、攻め込むと、ラックからモールを形成。残り5m近くまで進むと、東福岡がコラプシング。ここで大阪桐蔭は10番にパスし、DGを成功!8-7と逆転し、前半終了となります。

後半

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後半は大阪桐蔭のキックオフでスタートです。

キックオフのボールをキープした東福岡が自陣から攻め込みます。すると、10番が抜け出して、相手陣へと入ると、連続攻撃からラック。そこから4番が抜け出し、フォローした2番にパス。そのままインゴールまで走りトライ!ゴールは外れ、10-7と再逆転し、3点リードします。

その後、再び自陣から攻めようとする東福岡ですが、大阪桐蔭がターンオーバー。連続攻撃でフェーズ重ねると、中央のラック中央やや左の10番へパス。ここから10番が内側へ戻しパスを出したところに12番が走り込み、ディフェンスラインを抜け出すと、相手タックル受けながらもインゴールにおさえてトライ!ゴール決まって15-12と再度大阪桐蔭が逆転します。

その後は、互いにキックを交えながら陣地の取り合いの時間となります。そこから徐々に東福岡がペースを握ります。インゴール直前まで攻め込まれたり、その後も東福岡がボールキープし攻める時間が長くなりますが、タッチ外へと押し出すなど、大阪桐蔭ディフェンスがしっかり守り抜きます。

大阪桐蔭はそこからタッチキックで相手陣に入ると、東福岡ラインアウトの乱れから大阪桐蔭ボールのスクラムに。スクラムから大阪桐蔭は10番へパス。サインプレーで11番が中央付近を抜け出し、トライ!ゴールも決まって22-12とリードを広げます。

しかしここからは再び東福岡の時間に。相手陣に攻め込むと、大阪桐蔭のペナルティもあり、東福岡がボールキープします。後半20分過ぎ、相手のハンドで得たペナルティからFWで攻め込み、インゴール目前まで攻め込むと、ラックから左へ。3番が飛び込んでトライ!ゴール外れて22-17と5点差まで追い上げます。

残り時間少なくなってきたところで、東福岡は自陣から攻撃。しかし自陣22m内から抜け出すことができず、最後はノックオン。大阪桐蔭ボールのスクラムになると、スクラムからボールが出たところ、10番から12番へ。12番が中央を抜け出してトライ!ゴール決まって29-17と大きくリードします。

その後東福岡は最後の攻撃を見せるも、タッチを出てしまい、ここで試合終了。

結果、29-17で大阪桐蔭が東福岡を破り、準決勝進出を決めました。

全体を通じて

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この日は決勝トーナメント4試合が行われたのですが、この試合が最も白熱したレベルの高い試合になったかと思います。

勝った大阪桐蔭ですが、なんといってもディフェンスでの粘りが大きな勝因でしょう。前半先に一本取られ、次取られたらずるずるといきそうなところで、自陣22m内で攻め込まれる時間が長くなりましたが、ここを耐えたことで、流れが変わったかと思います。

また、後半も3点リードの状況で、守りの時間がきましたが、ここも相手に得点を許さなかったことで、大阪桐蔭のペースに持っていけたと思います。特にFW陣は前半からよく動き、よく凌いだと思います。

また攻撃面でいえば、9番10番のハーフ団がうまくキックを交えながら試合を上手く進めたことが大きかったかと思います。9番が自ら攻めるあるいはハイパントで揺さぶる、10番の長短のパス、そして陣地を確保する的確なキックなど、ハーフ団がうまく試合を作ったことで、勝利を導き出したかと思います。

大阪桐蔭としては厳しい時間を耐えて、少ないチャンスを確実にものにして勝利した試合になったかと思います。

対する東福岡ですが、チャンスは東福岡の方が多かったものの、大阪桐蔭の粘りのディフェンスの前に屈したという印象です。前後半とも試合のは入りは良かったと思います。どちらも先にトライを奪っていますし、東福岡らしい、縦への強さとそこにフォローする選手がいることで、トライに結びついたと思います。ただ、その後のチャンスを活かせなかったのが響いたかと思います。

相手のFW陣のフィジカルの強さにやや押された部分もあったかという気もしました。また、もう1つは後半ゴールが決まらなかったことも徐々に効いてきたかと思います。比較的簡単な位置でのキックだったので、2本とも決めていれば、相手へのプレッシャーも異なったかと思います。

東福岡はここまで福岡大会を除くと、九州大会、予選リーグと競った試合がなかったことも、影響したかなと感じました。相手からすると、3冠の東福岡ということで、気持ちの面でも向かっていくことが多く、やりにくさもあったかもしれませんね。

ただ、まだまだ春の段階ですし、これから伸びていく部分も大きいと思います。そこまで大きく悲観する内容でもないので、また秋から冬に向けて、大きく成長してもらいたいと思います。

 

なお、勝った大阪桐蔭は、準決勝も勝利し、決勝進出決定。決勝では東海大仰星との対戦でしたが、こちらもよくディフェンスでは粘りをみせたものの21-0と敗れ、準優勝となりました。最後は敗れたものの、ここ数カ月で大きく成長してきたと思います。

こちらも是非冬に向けてまた一段と強くなってほしいですね。

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