2015年5月17日、第70回大阪高校総合体育大会15人制の部順位決定戦が花園ラグビー場第2グラウンドで開催されました。
リーグ戦を行い、そこで1位通過した4チームが、1位-4位決定戦トーナメントで対戦し、2位通過した4チームが5位-8位決定戦トーナメントで対戦となります。この日は、トーナメント初戦の結果をふまえて、トーナメント2試合目の順位決定戦(1-2位決定戦、3-4位決定戦、5-6位決定戦、7-8位決定戦)が行われました。また、このトーナメント戦の結果、秋に開催される花園予選、第95回全国高校大会大阪予選のシード校も決まります。1位-3位がAシード、4位-6位がBシード、7位,8位がCシードとなります。
トーナメント初戦の4試合はこちらです。
1位-4位トーナメント
5位-8位トーナメント
この日の試合は以下の4試合になります。
7位8位決定戦
近大付属-早稲田摂陵
5位6位決定戦
大阪朝高-関大北陽
3位4位決定戦
大阪産大高-大阪桐蔭
1位2位決定戦
東海大仰星-常翔学園
今回は5位6位決定戦、大阪朝高vs関大北陽の試合についてです。
大阪朝高vs関大北陽
大阪朝高は予選リーグで大阪産大高に敗れて、リーグ2位で5位-8位決定戦に進出。初戦は近大付属高校と対戦し、先制を許すも得意のモールで逆転し、27-17で勝利。花園予選でのBシードも確定し、この試合に挑みます。
対する関大北陽は予選リーグで大阪桐蔭に続いてリーグ2位でこの5位-8位トーナメントに進出。初戦は早稲田摂陵と対戦し、前半は接戦になるも、後半バックス展開で引き離していき、43-10で勝利。創部3年目で初のBシードを確保し、この5位6位決定戦に挑みます。
大阪朝高は6年連続花園出場しており、逆に関大北陽は創部3年目の新鋭の高校です。大阪朝高が力を見せつけて勝利するのか、関大北陽がまた新しい歴史を作るのか、見どころの多い試合となりました。
前半
前半は大阪朝高のキックオフで試合開始です。
試合開始早々は関大北陽が敵陣へ入って攻撃。相手のペナルティからスクラム選択し、攻撃。その後ラインアウトに変わるも、ここはノットストレートで相手ボールに変わります。
そこからは大阪朝高に流れが移ります。前半5分、敵陣へと進み、ラインアウトからモールで押し込み、コラプシングのペナルティを誘うと、アドバンテージ活かしながら14番がスペースが余っていた左へ大きくロングパス。15番に渡ると、そのまま前進し、トライ!ゴール成功し、大阪朝高が7点を先制します。
その後も大阪朝高のチャンスが続きます。上手くタッチキックをけって、敵陣22m内へと進み、陣地をキープします。前半11分頃には連続攻撃からインゴール目前まで迫るも、ノックオンでチャンスを潰します。が、関大北陽が蹴らずにつなごうとしたところにプレッシャーをかけて、キャリーバックを誘うと、スクラムから一旦右サイドを攻め、内側6番にパスし、トライ!ゴール成功で14-0と大阪朝高がリードを広げます。
このトライの後は関大北陽が相手陣へ攻め込みます。相手のペナルティもあり、敵陣10m付近でのラインアウトから攻め込むと、まずはFWで攻撃。相手ペナルティもあって、残り5mほどまで迫り、バックス展開も交えて攻撃するも得点できません。
それでも相手陣22m内でボールキープし、今度はバックスへと思われた、前半25分頃。10番が左サイドへキックパスしようとしたところを、大阪朝高がチャージ。12番がそのままボール拾って、独走し、中央にトライ!ゴール成功で21-0とリードを広げます。
リードを広げられた関大北陽は残り僅かで敵陣へと攻め込むと、相手オフサイドからPGを選択。しかしここは外れて得点ならず。21-0で大阪朝高がリードのまま前半終了となります。
後半
後半は関大北陽高校のキックオフでスタートです。
後半序盤は、大阪朝高が敵陣へと攻め込みます。スクラムからの連続攻撃で残り数mまで迫るも、最後はノックオン。その後も相手ペナルティなどで22m内でのプレーが続きますが、関大北陽ディフェンスが守り切って得点にはならず。途中モール形成しようとするも、ノックオンとなるなど、大阪朝高がチャンスを活かせずにいます。
すると、途中からは関大北陽ペースへと変わっていきます。後半15分頃には、敵陣へと攻め込むと、相手オフサイドでペナルティ。ここからクイックで攻めて、10番が飛び込んで、この日初トライ!ゴールも成功で21-7と関大北陽が反撃開始となります。
その後も関大北陽がフェーズ重ねて攻め込むも、大阪朝高ディフェンスに絡まれてノットリリーズザボール。大阪朝高は敵陣へと戻します。その後も互いに陣地を取り合いながらも得点は生まれず。後半残りわずかとなります。
後半28分、関大北陽が敵陣でボールをつないでいき、1番がゲインすると、18番がフォローしてトライ!ゴール不成功で21-12と9点差まで追い上げます。が、結局試合はこのまま終了。
21-12で大阪朝高が関大北陽に勝利し、大阪朝高が5位、関大北陽が6位となりました。
試合を振り返って
前半から大阪朝高がうまく進めたことで、大阪朝高にとっては良い展開となったと思います。序盤に2トライを奪ったのですが、これは得意のモールが効いた2トライだったと思います。最初のトライは、モールでコラプシングを誘って、展開したトライでしたし、2トライ目は相手が自陣22m内から蹴り出して、そこからラインアウトモールとなることを避けたために、何とか自陣からつなぎたいところをキャリーバックを誘いました。そこからのスクラムで取ったトライであり、大阪朝高のモールの強さがあったからこそ、相手が蹴り出せなかったことからつながったトライになったかと思います。
関大北陽としては逆に、自陣から抜け出す際に、本来は単純に蹴り出したかったところはあったかと思いますが、何とか自陣からつなごうとし、逆にピンチを招いてしまった序盤となってしまいました。
また、その後の攻防も大きなポイントになったかと思います。前半途中からは関大北陽が敵陣22m内に入ってボールキープし、フェーズ重ねて攻め込む時間となりましたが、ここで時間が過ぎても取りきれなかったこと、そして逆にキックチャージからカウンターで一気に大阪朝高にトライを許したこと。最終的にはこれが最後まで効いていたと思います。
後半だけでいえば12-0で関大北陽が勝っていた試合。後半は関大北陽が攻め込む時間も長くなり、本来はこの戦いを前半からしたかったのかもしれないですが、それほど力の差は感じなかった試合なだけに、前半の試合運びはもったいなく感じました。
一方で、大阪朝高としては、試合運びのうまさを見せたともいえるかもしれません。敵陣でモール組めば取れるという得意技があること、それに加えて、ハイパントからターンオーバーを狙う形やしっかりと陣地を取って戦うのを見ていても、負けない試合運びというのをしているなという印象を受けました。
力の差をそれほど感じなかったが、大阪朝高の負けない強さも感じた。そんな試合だったと思います。
全体を通じて
これで大阪朝高は5位、関大北陽は6位となりましたが、ともにBシードという結果になりました。今年の大阪高校ラグビー界を見ると、3校が飛びぬけており、花園予選の組み合わせがどうなるかはわかりませんが、いずれにしても、東海大仰星、常翔学園、大阪桐蔭のどれかを倒さない限り、花園へは行けないことになります。
両チームともに、今回の結果で満足するチームではないと思いますし、花園出場が当面は大きな目標になるかと思います。これから秋の予選までに是非チームの力を高めて、秋には最高のチームを作ってもらえればと思います。
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