2015年4月26日(日)、関西ラグビーまつりが東大阪市花園ラグビー場で開催されました。
今年で9回目を迎える関西ラグビーまつり。この日は朝から多くのOBの試合が行われましたが、メインの試合は、関西学生代表とニュージーランド学生代表の試合です。
関西学生代表とは
関西学生代表とは、関西リーグに所属する学生から選出された代表になります。
2014年度に関西Aリーグにいた8チーム(関西学院大学・京都産業大学・同志社大学・天理大学・立命館大学・摂南大学・近畿大学・大阪体育大学)と、Aリーグ昇格を果たした関西大学の9チームから40名が参加し、4月5日にセレクションマッチを開催。そこから選ばれた25名が今回、関西学生代表としてNZ学生代表と戦うことになりました。
NZ学生代表とは
NZ学生代表はNZの大学選手から構成されている代表団。ではあるものの、厳密には学生だけではなく、クラブチームで活躍している選手も所属しているとのこと。いずれにしても、ここからスーパーラグビーやNZ代表入りする選手もいるかと思いますので、かなり手強い相手には間違いないです。
なお、両チームのメンバーはこちらになります!
関西学生代表vsNZ学生代表
前半
前半は関西学生代表のキックオフで試合開始です。
試合序盤は自力に勝ると思われるNZ学生代表がボールキープする時間が長くなります。それでも、関西学生代表は接点でFWがしっかりと圧力をかける、タックルで相手を倒す、前へ出るディフェンスも功を奏し、序盤から得点を奪われることなく、粘り強いディフェンスができていました。
すると前半10分頃、自陣で相手ミスからボールを奪うと、ハーフウェーライン付近までゲイン。ラックから10番がパスダミーで一気に抜け出し、相手陣22mまで前進。ラックから12番がキックしたボールがこぼれ、13番に渡ると、再びゲインし、ゴール前数mまで進みます。ここで、ディフェンスが整う前にラックから素早く左へ球出しすると、12番が飛び込んでトライ!ゴールも決まって関西学生代表が7点を先制します!
その後相手ペナルティで、関西学生代表が左サイドからPGを狙うも、これはポストにはじかれ、得点ならず。対するNZ学生代表も前半20分頃に相手陣中央でPGを決め3-7と3点を返します。
しかしこの後、再び関西学生代表が攻撃。NZ学生代表が自陣10m内でノックオンしたボールを拾い、関西学生代表がマイボールにすると、そこから連続攻撃。最後はラックから9番が右サイドへ走り出したところに、縦に切り込んだ10番へパスを返し、そのままインゴールに飛び込んでトライ!ゴール決まって3-14とリードを広げます。
NZ学生代表はここから反撃開始、自陣からゲインし、相手陣右サイドで何度かフェーズ重ねるとそこから大きく左へ展開。10番→19番とつなぎ、ディフェンスを寄せてから左サイドの11番にパス。パスを受けた11番がそのまま左隅にトライ!ゴールも決まり、10-14と4点差まで追い上げます。
さらに、前半残りわずかとなったところで、NZ学生代表は相手陣40mほどでマイボールラインアウトから攻めます。ボール確保すると、大きく左に展開。最後は11番にパスが渡ると、ステップで相手を交わし、そのままインゴールまで運んでトライ!ゴールも決まり、17-14と逆転したところで、前半終了となります。
後半
後半はNZ学生代表のキックオフでスタートです。
後半開始早々、NZ学生代表が攻め込むと、相手のノットロールアウェイのペナルティ。ほぼ中央からのPGを難なく決めて、20-14とリードを広げます。
引き離されたくない関西学生代表も後半10分過ぎ、相手陣でのマイボールラインアウトとなると、ボール確保し、モール形成して押し込むと、崩れた後もラックから8番が押し込みボールをおさえてトライ!ゴールは外れて、20-19と1点差に追い上げます。
なんとかくらいついていく関西学生代表ですが、ここからはNZ学生代表のペースになります。
後半15分にゴール中央で相手ホールディングのペナルティで、PGを狙い、成功。23-19とすると、さらに後半22分、相手陣でのスクラムから今度はFWが近場をせめてフェーズを重ねます。最後はゴール中央のラックから19番が抜け出してトライ!ゴールも決まって30-19とリードを11点に広げます。
さらに後半28分にも、中央やや左でのスクラムから、ゴール中央にラックを作ると、そこから右に展開。タックル受けながらもボールをつないでいき、最後は15番が右サイドを抜けてトライ!ゴール不成功で35-19とリードを広げます。
この後は関西学生代表がボール保持し、相手陣に攻め込む時間となります。相手陣5mまで迫るチャンスが何度かあったものの、ノックオンや最後孤立してノットリリースザボールとなるなど、得点を奪うことができずに後半ロスタイムとなります。
ロスタイムに入り、今度はNZ学生代表がボールを持つと、自陣からでも攻め込みます。右に展開したところで、14番がラックからボールを持ち出し抜けると、オフロードでボールをつないで、最後は右隅の21番へ。右サイドを一気に駆け抜けてそのままトライ!ゴール不成功で40-19としたところで、試合終了。
40-19でNZ学生代表が関西学生代表を倒した試合となりました。
試合を振り返って
この試合、得点差こそ最後離れたものの、関西学生代表が予想以上に健闘した試合だったかと思います。
やはり大きく善戦したのはディフェンスの部分でしょう。1つFW陣がよく接点に集まり、またファイトしたこと。接点でしっかりと戦えたことで、相手も面食らった部分はあるかと思います。ターンオーバーする機会もありました。関西のチームはどうしても関東の大学チームと対戦した時も接点でやられてしまう傾向があります。ここでしっかり勝負できたことは今後の試合においても大きいでしょう。
またもう1つはタックルでしっかりと相手を倒したこと。海外のチーム、特にNZやアイランダーのチーム相手だと、ハンドオフではじかれ、オフロードでつながれて失点するケースが目立ちますが、この試合はしっかりと相手を倒し、球出しを遅らせたことで、簡単にやられる場面は少なかったと思います。またディフェンスの出足もよく、何度も好タックルが突き刺さった場面が多く、観客が湧くシーンとなりました。
最終的には得点差は離されたものの、粘り強く試合ができたと思います。関西学生代表としての試合は今回限りですが、来年以降は数試合行うのもいいかもしれないですね。
NZ学生代表は、この日の半袖でも十分なほどの熱さと、まだ連携がうまくいっていない部分もあるかと思います。ハンドリングエラーも多く、本調子という感じではなかったかと思います。また、予想以上に相手のプレッシャーが強いと感じた部分もあったのかもしれません。それでもPGを狙いながら得点差を縮めて、後半突き放すことができたのは、やはり個々の力の差かなと感じました。
PG狙いは日本だとまだ消極的だと感じる人もいるかもしれないですが、この試合を見ていると、前半からPGで得点を重ねたことで、リズムを取り戻したというのもあったかと思います。もちろんそれを可能にしたのは良いキッカーがいたからというのはありますが、うまくいっていない時間帯にもしっかりとスコアできたというのが、最後の突き放しにつながったかと思います。
NZ学生代表はこの後は関東学生代表とゲームをすることになりますが、おそらく今回より連携もよくなり、さらに強くなった姿を見せてくれるでしょう。
試合としては、非常に面白い試合となり、楽しいゲームでした。おそらくこの日来ていた観客の皆さんもそう感じたのではないでしょうか。
今回の催しとしては、各大学のラグビー部の選手たちが見にきていたこともとても良かったと思います。例えば、大学同士の対戦であれば、その大学のラグビー部しか来なかったと思いますが、関西学生代表とすることで多くの学生が見にきてくれたと思います。
天候にも恵まれたこともありましたが、当日は多くの観客も集まりました。この日は花園ラグビー場が近鉄から東大阪市に譲渡されてから初めての大きな試合だったと思います。色々と課題もありますが、まずは良い船出になったかなと思いました。
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