2015年5月10日、第70回大阪高校総合体育大会15人制の部順位決定戦が大阪市の鶴見緑地球技場で開催されました。
この日の試合は全部で4試合。リーグ戦を行い、そこで1位通過した4チームが、1位-4位決定戦トーナメントで対戦し、2位通過した4チームが5位-8位決定戦トーナメントで対戦となります。
この日の対戦は以下の4試合となりました。
1位チームトーナメント(1位-4位決定戦)
東海大仰星-大阪産大高
大阪桐蔭-常翔学園
2位チームトーナメント(5位-8位決定戦)
近大付属-大阪朝高
関大北陽-早稲田摂陵
この大会は、秋の大会のシード校が決まる大会でもあります。
今回は、この日の第4試合、関大北陽-早稲田摂陵の対戦についてです。
関大北陽vs早稲田摂陵
関大北陽高校は、新人戦では常翔啓光学園、近大付属と倒していき、Aブロック決勝で東海大仰星と対戦。41-7で敗れて、近畿大会には出場できなかったものの、強化が進んでいると印象付けた試合でした。
今大会では予選リーグで、東大阪大柏原、大阪桐蔭、同志社香里と対戦。大阪桐蔭には敗れたものの、2勝1敗で予選グループ2位でこの試合に挑みます。
対する早稲田摂陵は、新人戦では八尾高校に勝利するものの、続く準決勝で大阪朝高に敗退。今大会では、常翔学園、浪速、関大一高と対戦。常翔学園には敗退するも、続く浪速高校戦は26-24で競り勝つと、関大一高にも26-0で勝利。2勝1敗でグループ2位でこの試合に挑みます。
両チームともに、勝てば初のBシード獲得となるこの試合。大阪高校ラグビーに新しい歴史を刻むのはどちらのチームでしょうか。
前半
前半は早稲田摂陵のキックオフで試合開始です。
試合が始まるとまず関大北陽がチャンスを作ります。前半2分、センタースクラムから右へと展開すると、15番がパスダミーから抜け出してトライ!ゴールも決まって7-0と関大北陽が先制します。ここからは互いにキックの蹴り合いなどもあって、膠着状態に。中々ボールが外に出ることもなく、インプレーの時間が長く続きました。
その後、トライを奪ったのは早稲田摂陵でした。敵陣でマイボールラインアウトのチャンスを作るとモール形成。押し込んでトライ!ゴール成功で7-5と2点差に追い上げます。
その後は再び、関大北陽がチャンスに。今度は敵陣へと入ると、今度はFW陣でフェーズを重ねてトライを狙いに行くも、ここは相手に阻まれて得点ならず。前半20分が過ぎます。
前半20分が過ぎたところで、関大北陽は相手モールからボールを出させず、マイボールスクラムにすると、スクラムからボール受けた10番が抜け出してトライ!ゴール成功で14-5と関大北陽がリードを広げます。
しかし、今度は早稲田摂陵もチャンスに。前半25分、10番がゲインし、相手陣22m付近まで迫ると、ラックからフェーズを重ねて攻撃。再び10番に渡ると今度は右サイドにグラバーキック。関大北陽が確保するかと思いきや、ボールが大きく跳ねてディフェンスを超えて、そこに走り込んだ早稲田摂陵の6番がトライ!ゴール不成功で14-10と追い上げます。
対する関大北陽もその直後、10番が右にキックパスし、11番が走り込むも、こちらはバウンドが合わず取れずにタッチへ。チャンスを逃します。
前半はここで終了。14-10で関大北陽がリードして前半終了となります。
後半
後半は関大北陽のキックオフでスタートです。
後半に入ると、風上となった関大北陽が相手陣でのプレーする時間が長くなります。後半7分には、13番のゲインから左隅にラック。そこから今度は大きく右に展開していき、最後は11番が右隅にトライ!ゴール成功で19-10とリードを広げます。
さらに後半12分には、早稲田摂陵が自陣でノックオンしたボールを、関大北陽がキープし、裏にキック。早稲田摂陵ディフェンスが抑えきれずにこぼれたボールを、関大北陽10番がトライ!ゴール成不成功で24-10とします。
後半に入ると風下の早稲田摂陵は相手陣に進むことができず、自陣での戦いを強いられ、チャンスを作ることができない状態になってしまい、また相手バックスのスピード、ステップについていけなくなってきてしまいました。
後半16分には早稲田摂陵のオフサイドから関大北陽がクイックで左に展開。そのまま左隅にトライを決め(ゴール不成功)、29-10と点差を広げると、後半20分にも12番→15番→11番と右に展開してトライかと思いきや、ここはノックオン。ここはトライとなりませんでしたが、バックスが躍動する展開が続きます。
後半23分には、スクラムから展開していき、14番→15番とつないで、トライを奪い、ゴールも成功。36-10とすると、さらに後半28分にも11番が左隅をゲインし、右へ展開。最後は14番がトライを決めて、ゴールも成功。43-10と点差を広げます。
試合はこのまま終了。結果、43-10で関大北陽が早稲田摂陵に勝利しました。
試合を振り返って
この試合、前半は点差を見ても14-10とそれほど差は開きませんでした。これは早稲田摂陵が風上、関大北陽が風下であったということもありましたが、FWで早稲田摂陵が頑張ったことも大きかったと思います。特に前半は関大北陽がかなりFWでフェーズ重ねて勝負する場面が多かったのですが、ここで得点を奪われることなく、守り切ったことが大きかったと思います。また最初のトライもFWがモールでとったものでしたし、FW戦でいえばほぼ差がなかったと思います。
一方でバックス陣を見ると、関大北陽はかなり強いと見ていいかと思います。何といっても関大北陽10番がパスやステップ、キックも含めて素晴らしく、また15番や両ウィングもスピードがあって良かったです。前半途中からはバックス陣へと展開する場面が多くなり、関大北陽がトライを量産する試合となったかと思います。
関大北陽としては、2トライを奪われたものの、1トライはやや不運な形でもありましたし、最初のトライ以降は相手にチャンスを作らせなかったこと、また攻撃でいえばバックス陣の展開力を見せつけることができたと思いますし、結果としては完勝と言えるでしょう。
対する早稲田摂陵は、前半は良い形で守り切ったものの、相手にワイドに展開されると、戻りきれない場面がある、あるいは相手をノミネートできず簡単に抜かれる場面もあったので、この辺りは課題としてこれから修正していかなければいけないかと思います。
とはいえ、両チームの持ち味も試合の中では垣間見られた試合になったと思います。
全体を通じて
この試合の結果、関大北陽高校は秋の花園予選でのBシード決定となるとともに、5位-6位決定戦へと進出しました。相手は、6年連続花園出場の大阪朝高。どういった試合になるのか、楽しみです。
対する早稲田摂陵高校は7位-8位決定戦に進みます。対戦相手は近大付属高校です。
関大北陽は創部3年目にして初のBシード獲得ですし、次の試合は格上の対戦相手となります。相手はさらにFW陣が強くなるので、それにどこまで対応できるのか、注目です。一方の早稲田摂陵も、近大付属はバランスの取れたチーム。高校総体としては最後の試合となりますので、是非頑張ってください。
5/17(日) 東大阪市花園ラグビー場第2グラウンド
7位・8位決定戦 10:00 Kick Off
近大付属-早稲田摂陵
5位・6位決定戦 11:10 Kick Off
大阪朝高-関大北陽
3位・4位決定戦 12:20 Kick Off
大阪産大高-大阪桐蔭
1位・2位決定戦 13:40 Kick Off
東海大仰星-常翔学園
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