ラグビー日本代表とカナダ代表のテストマッチが6月12日(日)(現地時間6/11(土)15:00)にカナダ・バンクーバーにあるB.C.Place Stadiumで開催されます。
昨年度W杯以降の日本代表の活動はすでにアジアラグビーチャンピオンシップで始まっていますが、W杯に出場する強豪相手との対戦はこのカナダ戦からとなります。すでに日本代表メンバーは発表されています。新生日本代表としてどんな試合を見せてくれるのでしょうか。
カナダ代表との戦績
日本代表が対戦するカナダ代表は、現在世界ランキング18位。対する日本代表は世界ランキング10位。(どちらも6月10日現在)
ランキング上は日本代表が上位となっています。また近年の対戦成績は以下となっています。
日程 | スコア | 結果 | 備考 |
---|---|---|---|
2007/9/25 | 12-12 | DRAW | 2007W杯フランス大会 |
2009/11/15 | 46-8 | WIN | テストマッチ(仙台) |
2009/11/21 | 27-6 | WIN | テストマッチ(秩父宮) |
2011/9/27 | 23-23 | DRAW | 2011W杯NZ大会 |
2013/6/19 | 16-13 | WIN | テストマッチ(瑞穂) |
2014/6/7 | 34-25 | WIN | テストマッチ(カナダ) |
2015/7/18 | 20-6 | WIN | テストマッチ(アメリカ) |
ここ数年は毎年対戦しており、カナダ代表には現在3連勝中となっています。前回の敗戦は2005年まで遡ります。成績としては最近は得意としている相手と言ってもいいでしょう。その一方で、W杯では2011年、2007年と2度の対戦でどちらも引き分けに終わっており、W杯で勝たせてもらえない対戦相手ともいえます。
また、2015年W杯ではカナダはプールDで4戦4敗の未勝利で大会を終えました。とはいえ、イタリア(世界ランキング14位)に18-23、ルーマニア(世界ランキング16位)に15-17と接戦の末敗れており、実力は見せた大会となっています。
日本にとっては相性の良い対戦相手ではありますが、実力は持っており、決して侮れないチームです。
VSカナダ戦 メンバー発表
この試合はアウェイのカナダに乗り込んでの試合となります。この試合の日本代表メンバーも発表されました。
名前 | 所属 | キャップ | ||
---|---|---|---|---|
FW | 1 | 稲垣 啓太 | パナソニックワイルドナイツ | 10 |
2 | 木津 武士 | 神戸製鋼コベルコスティーラーズ | 41 | |
3 | 畠山 健介 | サントリーサンゴリアス | 72 | |
4 | 宇佐美 和彦 | キヤノンイーグルス | 8 | |
5 | 小瀧 尚弘 | 東芝ブレイブルーパス | 4 | |
6 | 細田 佳也 | NECグリーンロケッツ | – | |
7 | 安藤 泰洋 | 豊田自動車ヴェルブリッツ | 1 | |
8 | 堀江 恭佑 | ヤマハ発動機ジュビロ | 2 | |
BK | 9 | 田中 史朗 | パナソニックワイルドナイツ | 53 |
10 | 田村 優 | NECグリーンロケッツ | 35 | |
11 | 笹倉 康誉 | パナソニック ワイルドナイツ | – | |
12 | 立川 理道 | クボタスピアーズ | 43 | |
13 | ティム・ベネット | キヤノンイーグルス | 2 | |
14 | パエア・ミフィポセチ | NTTドコモレッドハリケーンズ | – | |
15 | 松島 幸太朗 | サントリーサンゴリアス | 16 | |
リザーブ | 16 | 森 太志 | 東芝ブレイブルーパス | 2 |
17 | 三上 正貴 | 東芝ブレイブルーパス | 32 | |
18 | 垣永 真之介 | サントリーサンゴリアス | 6 | |
19 | 谷田部 洸太郎 | パナソニック ワイルドナイツ | 2 | |
20 | 金 正奎 | NTTコミュニケーションズシャイニングアークス | 3 | |
21 | 茂野 海人 | NECグリーンロケッツ | – | |
22 | 小野 晃征 | サントリーサンゴリアス | 32 | |
23 | 松田 力也 | 帝京大学 | – |
※キャプテンは12立川選手
注目選手は?
今回のメンバーはサンウルブズで活躍した選手と従来から日本代表で活躍した選手、さらにアジアチャンピオンシップで活躍した選手が混在しているメンバー構成になります。イングランドW杯に出場した選手でいえば、チームの中心であったPR畠山選手やSH田中選手は海外チームでプレーしていましたが久しぶりの代表試合となります。また、サンウルブズでも活躍しているCTB立川選手がこのゲームの主将となります。
ポジションで見ていくとFWが日本人選手のみで構成されています。フロントローはW杯出場経験のあるメンバーなのですが、特に若返りが必要とされているLOには宇佐美選手と小瀧選手という若い2人がスタメンとなっています。また、バックローも細田選手、安藤選手、堀江(恭)選手とこれまで代表経験の少ないメンバーで構成されています。この5人がどれだけ体をはれるか、また突破の起点と慣れるかに注目です。
BKでいくと、一番の注目点であったFBには松島選手が入りました。これまで代表ではWTBまたはCTB(13番)でも出場が多かった松島選手ですが、五郎丸選手不在の中、松島選手がFBを務めることになりました。キック力こそ五郎丸選手に劣るものの、スピード、ラン、ステップなどは松島選手が上回っていると思います。高校時代はFBで花園を湧かせた選手ですので、再びFBでどこまで活躍するか注目です。
一方WTBには笹倉選手とパエア選手というサンウルブズに加入している2人が選出されていあます。2人とも本職はWTBではないものの、サンウルブズではWTBとしてプレーしています。場合によっては笹倉選手がFBに入り、松島選手がWTBに入るという場面も見られるかもしれないですね。
リザーブでの注目は大学生で選出の松田選手。出場はFBで、という見方が濃厚ですが、出場すれば初キャップとなります。これまでの4年間は不動のFBだったのですが、2019年に向けてポジション争いも加熱していきそうです。
カナダ戦の見どころは?
上記で見てきた通り、世界ランクでいえばカナダは日本よりも格下の相手となります。また、近年の成績を見ても、カナダ代表には相性が良いと言えます。その一方で、日本代表は、W杯以降、エディー・ジョーンズHCが去り、新しい体制となりました。とはいっても、次期ヘッドコーチとなるジェイミー・ジョセフHCの就任は秋からとなるので、今回の遠征は、サンウルブズHCのマーク・ハメッドHCが代行することになります。
その影響もあって、選手の多くはサンウルブズで活動している選手となっています。戦術的にもサンウルブズと同様の素早いアタックが見られるかと思います。
対するカナダ代表は、W杯では結果こそでなかったものの、イタリアに善戦するなど実力は十分。元来フィジカルの強さを持っており、加えて近年はランニングラグビーを見せていることもあり、そのアタックは日本代表も気をつけないといけないところでしょう。
これまでエディーHC時代の日本代表は過酷な合宿を経験しており、他の代表よりもフィットネスでは上回っていました。それ以前は後半に畳み掛けられる試合も多かったのですが、そういった場面が減ってきたと思います。
一方で、今回は事前合宿などがなく、調整期間が短い中での試合となります。集まってまだ時間も経っていない選手も多いので、どこまで戦術理解が進んでいるか、そして後半までフィットネスが継続できるか、消耗した選手の選手交代のタイミングなどが重要になってくるかと思います。
まとめ
W杯以降では初の強豪相手の試合となるのがアウェイでのカナダ戦です。2019年W杯を目指す上では、ランキングを上げるためにも負けられない試合となります。是非カナダに勝利して、ホームのスコットランド戦を迎えたいですね。
なお、この試合は、日本テレビ系列で6/12(日)の午前7:00〜生放送となっています。日曜の朝から是非皆さんで応援しましょう。
コメント