2015年4月18日~19日の2日間、全国高校7人制ラグビー大会兵庫県予選が行われました。これは今年で2回目になる全国高校ラグビー7人制大会の兵庫県予選となっています。
この大会の優勝チームは、7月に菅平高原で行われる全国7人制ラグビー大会へと出場します。昨年は東福岡高校が優勝し、選抜・冬の全国高校ラグビー大会と合わせて三冠を達成しています。オリンピック競技になったこともあって、7人制についても続々と大会が開催されるようになってきており、高校生の大会も2回目の開催となりました。
この2日間、1日目は予選リーグが行われ、予選リーグトップのチームが2日目の決勝トーナメントに進出となります。今回は4月19日の決勝トーナメントを見てきました。前日の予選リーグの結果、決勝に進出したのは以下のチームです。
決勝トーナメント
決勝トーナメント進出校
4月19日(日)の決勝トーナメント進出校は以下のチームです。
SCIX
武庫之荘総合
報徳学園
神戸朝鮮
御影
北摂三田
星陵
神戸甲北
県立芦屋
村野工業
甲南
市立尼崎
加古川西
関西学院
前回優勝は・・・
決勝トーナメントは上記の14チームが対戦。SCIXと関西学院はシード校として2回戦から登場。それ以外の12校が1回戦で対戦となりました。前回優勝の報徳学園高校は1回戦から登場となります。セブンズは15人制に比べて波乱が起こりやすいです。果たしてこの大会はどうなるでしょうか。
決勝トーナメント1回戦
決勝トーナメントはJR西日本グラウンドで開催されました。まずは1回戦6試合からです。
報徳学園vs武庫之荘総合
この日最初の試合はいきなり前回優勝の報徳学園が登場。相手は、武庫之荘総合高校です。試合は序盤から優勝候補の報徳学園が終始圧倒。前半だけで6トライを奪い、40-0とリードすると、後半もトライラッシュに。結局11トライを奪い、75-0と大差で報徳学園が勝利し、2回戦に進出となりました。
いきなりの試合で報徳強し、というのを見せつけられました。
神戸朝鮮vs御影
1回戦2試合目は神戸朝鮮と御影高校の試合です。この試合は御影高校が前半からリード。前半は3トライを奪い、15-0とリードすると後半も相手に攻められる場面もありながらも得点は許すことなく、37-0で御影高校が勝利しました。これで御影高校が2回戦進出です。接点での強さと素早い攻撃が魅力的なチームです。
星稜vs北摂三田
1回戦3試合目は星稜高校と北摂三田高校の対戦です。試合は前半は星稜高校が優勢に進めます。前半で2トライを奪い、12-0と星稜高校がリードして後半に入ります。このままこの試合も一方的になるかと思いきや、後半は北摂三田高校が反撃。2トライを奪い、12-12の同点に追いつきます。勝負を決めたのは、星稜高校。最後にトライを奪い、19-12とし、試合終了。星稜高校が勝利し、2回戦進出を決めました。
神戸甲北vs県立芦屋
1回戦4試合目は神戸甲北と県立芦屋の対戦。こちらは前半、神戸甲北が優勢に進めます。途中、トライチャンスもあったものの、ラストパスがスローフォワードとなることもありましたが、1トライを奪い、7-0とリード。後半に入ると、県芦屋が反撃。1トライ返して7-7とします。その後両チームともに1トライ1ゴールずつ返して、14-14とすると最後に決めたのは県立芦屋。トライを奪い、19-14となったところで試合終了となります。県立芦屋が勝利し、2回戦進出となりました。
体格的には神戸甲北の方が勝っていたように感じましたが、県立芦屋はスピードランナーを上手く活かして勝ち切った試合となりました。
村野工業vs甲南
1回戦第5試合は村野工業高校vs甲南高校の対戦です。試合はまず村野工業が1トライを奪い、7-0と先制。が、ここからは甲南高校ペースになります。前半のうちに甲南が3トライ(ゴール不成功)を返し、15-7と甲南リードで折り返すと、後半も勢いに乗って3トライを奪い、32-7で甲南高校が勝利しました。甲南高校が2回戦進出です。
市立尼崎vs加古川西
1回戦第6試合は市立尼崎vs加古川西の対戦です。先制したのは加古川西高校。先に7点をリードすると、すかさず市尼崎も2トライを返して10-7と逆転。が再度加古川西がトライ(ゴール成功)で10-14と逆転するも、前半終了前に市立尼崎がトライ(ゴール不成功)で15-14とし、前半終了。序盤から逆転に次ぐ逆転の試合となります。
後半先に得点したのは市立尼崎。トライとゴールで22-14とリードを広げるも、加古川西が食い下がり、こちらもトライ!22-21と1点差に追い上げます。最後まで分からない試合となりましたが、試合終了前に市立尼崎がトライを奪い、29-21とリードを広げます。試合は結局このまま終了。市立尼崎が勝利し、2回戦進出となりました。
決勝トーナメント2回戦
2回戦は、1回戦勝利した6チームと、2回戦から登場のSCIX、関西学院を加えた8チームが対戦します。2回戦は以下4試合の組み合わせとなりました。
報徳学園-SCIX
御影-星陵
甲南-県立芦屋
関西学院-市立尼崎
報徳学園-SCIX
2回戦第1試合は、報徳学園とSCIXの対戦です。
先制したのはSCIX、トライ(ゴール不成功)で5点を先制します。が、報徳もすぐに反撃。2トライを奪って14-5と逆転します。がSCIXも粘りをみせます。前半にもう一本トライを奪い、10-14と追い上げ、食い下がります。しかし、報徳は前半最後に1トライを奪い、前半は21-10で報徳学園がリードで終了となります。後半何とかしたいSCIXでしたが、後半は報徳ペースに。報徳がトライラッシュとなり、トライを重ね、結局は56-10で報徳学園が勝利しました。
報徳学園とすれば1回戦、2回戦は危なげなく勝利して準決勝進出を決めました。対するSCIXも敗れたものの、前半は良いトライを2つ奪うなど善戦していました。後半は自力の差を見せつけられた形になりましたが、面白いチームになりそうです。
御影-星陵
2回戦第2試合は御影高校と星稜高校の対戦です。試合は序盤から拮抗した試合に。先にトライを奪ったのは御影高校。ゴールも決めて7-0と先制するも、すぐに星稜高校がトライを返し(ゴールも成功)、7-7の同点に。が、御影がさらにトライを奪い14-7とリードし、前半はここで終了となります。後半はしばらく得点が入らずに14-7で変わらずに後半も時間が過ぎていきます。試合が動いたのは残り2分ほどになってからでした。
ここで星稜高校がトライ、ゴールも成功で14-14に追いつきます。試合は7分を過ぎて継続。星稜がボールキープしていたものの、御影がターンオーバーし、トライを奪い、19-14に。ゴールが外れるとともに試合終了となり、御影が勝利しました。
これで御影高校は準決勝進出決定。星稜高校は、良い戦いを見せてくれたものの、惜しくもここで敗戦となってしまいました。
甲南-県立芦屋
2回戦第3試合は甲南高校と県立芦屋高校の対戦です。先にトライを奪ったのは甲南高校。7点を先制します。対する県芦屋もトライを奪い5-7とすると、さらにもう1トライを奪い12-7と県立芦屋が逆転。このまま前半終わるかと思いきや、前半最後に甲南がトライを奪い、12-12の同点で前半を終了となります。
後半に入ると、甲南高校ペースに。先に2トライ(ともにゴール成功)を決め、26-12とリードすると、後半は相手に得点を許さず、このまま甲南が勝利しました。甲南高校はこれで準決勝進出決定。負けた県立芦屋高校も大きな選手は少ないものの、良い守りからリズムを作っていたかと思います。
関西学院-市立尼崎
2回戦第4試合は関西学院高校と市立尼崎高校の試合です。先にトライを奪ったのは関西学院。7点を先制するも、市尼崎もすぐにトライを奪い、5-7と追い上げます。このまま前半終わるかと思いきや最後に関学がトライを奪い(ゴールも成功)、14-5と関学がリードして前半終了となります。
後半に入ると、関学ペースに、後半に一気に4トライを奪い、42-5とします。後半市立尼崎はトライを奪うことができず、このまま試合終了。結果、関西学院が勝利し、準決勝進出を決めました。
試合結果だけを見ると関西学院が圧勝とも思えますが、前半を見ると市尼崎もよくディフェンスで粘っていたかと思います。部員も増えたようなので、是非また頑張ってください。
決勝トーナメント準決勝
というわけで、準決勝は以下の2試合となりました。
報徳学園-御影
甲南-関西学院
勝ったチームが決勝進出となります。
報徳学園-御影
準決勝1試合目は報徳学園高校と御影高校の対戦。先にトライを奪ったのは御影高校。左サイドのライン際を走りきり、トライ!ゴール外れるも御影が5点を先制します。対する報徳もトライを返し、5-5としますが、御影が再度トライを奪い10-5と再びリードを奪います。それでも自力で勝る報徳は前半2トライ目を決めて10-10の同点に追いつきます。前半はここで終了となります。
後半に入ると、報徳がフィジカルとスピードで圧倒していきます。後半だけで5トライを奪い、結果的には45-10とリードします。後半は報徳が終始ペースを握り、45-10で、報徳学園が勝利しました。
これで報徳学園が決勝進出決定。御影高校も先にトライを奪うなど前半は同点で終え、王者を苦しめたと言えるかと思います。3位ということですが、胸を張っていい結果だったと思います。
甲南-関西学院
準決勝2試合目は甲南高校と関西学院高校の対戦。試合は序盤から関学がペースを握ります。前半先に関西学院がトライを奪い、7点を先制すると、甲南の攻撃をおさえ、前半最後にも1トライ(ゴール成功)を追加し、14-0として前半を終了します。
後半に入っても先にトライを奪ったのは関学。トライ後のゴールも決めて21-0とリードを広げます。このまま関学ペースのまま終わるかと思いきや、関学がノーボールタックルで1人シンビンとなると、流れが甲南高校にやってきます。相手がシンビン中に1トライを返し、7-21と追い上げると、さらにその後もう1トライを奪い、12-21と追い上げます。が、結局このまま試合終了となり、関西学院が勝利し、決勝進出を決めました。
関西学院は後半苦しい時間もありましたが、うまく逃げ切って勝利。対する甲南高校ですが、鋭いタックルで相手の出足を止め、後半は流れを掴んでいたと思います。時間が少なかったのが痛かったですが、とても良い試合になりましたね。
決勝トーナメント決勝
というわけで、7人制大会決勝は報徳学園と関西学院の対戦となりました。15人制と同様、報徳と関学の決勝となりました。
報徳学園-関西学院
前半
前半、先に流れを掴んだのは報徳学園高校でした。ボールを左サイドから右に振って、ギャップができたところを2番が内に抜いてトライ!ゴールは外れ5-0となります。さらに続いて報徳が、今度はターンオーバーからトライを奪い、12-0とリードを広げます。
しかしここから関西学院が反撃。大きく展開し、2番が中央にトライを決め、12-7と追い上げると、その後報徳学園の選手がハイタックルでシンビンとなっている間に、相手陣でクイックから飛び込んでトライ!ゴールは外れ、12-12とし、前半は終了となります。
後半
後半に入ると先にトライを奪ったのは報徳学園。左サイドにトライを決めて、17-12と5点リードとなります。これに対し、関西学院も7番がステップでかわしてトライを奪い、ゴールも成功17-19と関西学院が2点リードして終盤を迎えます。関西学院は残り時間わずかでボールキープし、相手陣へ。ここで前方へのキックを選択。ラインを割りましたが、試合はまだ続き、報徳学園は自陣から攻め込むと、一気に抜け出して独走。中央にトライを決め、ゴール成功。ここで試合終了。24-19で報徳学園が勝利し、優勝となりました。
これで報徳学園は2連覇達成となりました。
大会を振り返って
今大会全体を振り返ると、やはり報徳学園と関西学院が決勝に進み、2強が強さを見せつけた大会になりました。その決勝戦はどちらが勝ってもおかしくない接戦となりましたが、最後に報徳学園が残り1チャンスを活かして優勝をもぎ取りました。残り時間を上手く使えば関西学院も優勝に手が届いたかもしれませんが、ここは報徳が良く最後決めたなと思います。
また、その他のチームを見ても今大会は面白い試合が多かったかなと思います。3位の御影高校はスピードで見せてくれましたし、同じく3位の甲南高校もフィジカルの高さが素晴らしいなと感じました。
これ以外にも、SCIX、星稜高校、県立芦屋高校、市立尼崎高校、神戸甲北高校、加古川西高校、北摂三田高校など、良い高校が多く、随所に良い場面が見られたなと思います。
7人制の場合、人数が少ない分、強豪相手だと一気にトライを奪われることも多いですが、以下に個々人がしっかり相手を1対1で止めるかというのも大きいと思います。個々のフィジカルの強化やスキルアップは15人制に戻っても活きてくると思いますので、今回の経験を糧にこれからもラグビー練習に勤しんでください!
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