2015年5月30日(土)、JR西日本鷹取グラウンドで、兵庫県民大会の準々決勝8試合が行われました。
この大会は4月から8つのグループに分かれて予選リーグが行われ、1位のチーム8チームが決勝トーナメントへと進出。またこれ以外にシード校8校も決勝トーナメントから参加となり、計16チームでのトーナメントが5月24日から始まりました。
この日行われたのはベスト8進出した8チームが対戦。全部で4試合が行われました。
兵庫県民大会準々決勝
関西学院-神戸
科学技術-灘
市立尼崎-兵庫工
六甲アイランド-報徳学園
この日の対戦で勝てば、6月7日(日)に行われる準決勝へと進出することになります。
第二試合は市立科学技術高校と灘高校の対戦です。
科学技術vs灘
この日の第二試合は科学技術高校と灘高校の対戦となりました。
神戸市立科学技術高校は新人戦では二回戦から登場。星稜高校に26-5で勝利すると、続く3回戦も神戸甲北高校に対し、24-15で勝利。準々決勝では今日の対戦相手の灘高相手に48-14で勝利し、ベスト4進出。準決勝で報徳学園と対戦するも、83-0で敗戦。続く3位決定戦でも19-40で市立尼崎高校に敗れる結果となりました。
今大会では、決勝トーナメントから参加。1回戦では甲南高校と対戦し、19-17と接戦をものにして、この準々決勝に進んできました。
対する灘高校は新人戦、2回戦から登場。2回戦では武庫之荘総合高校相手に44-0と勝利し、3回戦でも鳴尾高校相手に63-5で勝利。準々決勝へと進出しました。準々決勝では科学技術高校と対戦。14-48で敗れる結果となりました。
この県民大会ではトーナメントから参加。1回戦では兵庫高校相手に41-12で勝利し、この準々決勝に進出してきました。
この試合、新人戦と同じく、準々決勝で再び対戦することとなった試合。新人戦では科学技術高校が灘高に勝利していますが、果たしてこの試合はどうなるでしょうか。
前半
前半は灘高校のキックオフで試合開始です。
先にチャンスを作ったのは科技高。自陣でのスクラムから相手のペナルティで敵陣でのラインアウトとなると、ここからモールでインゴール前まで持ち込み、最後は抜け出してトライ!ゴール成功で7-0と科学技術が先制します。
その後の時間帯は灘高が敵陣へと攻め込みます。マイボールスクラムから10番がハイパント。相手ノックオンでフェーズを重ねると今度は相手オフサイドで22m内でのマイボールラインアウトに変わります。ボールキープすると、またもキック。相手ノックオンからスクラムに変わると、ここもハイパント。インゴールにあげたボールは今度は味方のノックオン。
キックでトライを狙うも、ここは得点なりません。
すると流れは科学技術高校に。相手ペナルティからラインアウト。さらにペナルティで敵陣でのラインアウトとなると、前半14分頃、再びモールを形成。そのまま押し込んでトライを奪い、ゴール成功。14-0とリードを広げます。
このトライの後も科学技術高校がボールをキープ。灘高校は20番がインターセプトを狙うもこれはノックオンとなります。その後、前半20分頃、灘高校のハイタックルで科学技術高校が相手陣でのラインアウトとなると、再びモール。インゴール目前まで押し込むと、相手ペナルティで、認定トライとなり、ゴールも成功。21-0とリードを広げます。
対する灘高校はここから反撃開始。前半25分過ぎ、相手ペナルティで敵陣22mライン付近でマイボールラインアウトのチャンスを得ると、そこからフェーズを重ね、ラック。ゴール中央付近で10番から縦に走り込んだ13番に渡ると、そのまま抜け出してトライ!ゴールも決まって21-7と7点を返します。
前半終了間際、今度は科学技術高が相手のダイレクトタッチキックで敵陣22m内でのラインアウトとなると 、相手コラプシングがあり、そこからFWで再びモールを形成。これを押し込んでトライを奪い、ゴールも成功。28-7と科学技術高校がリードを広げます。
前半はここで終了。28-7で科学技術校が灘高をリードし、後半に入ります。
後半
後半は科学技術高校のキックオフでスタートです。
後半序盤は互いに攻め込む展開に。科学技術高が自陣からつないでいくも最後はノックオンとなり、今度は灘高校10番がゲインし、敵陣へと入るもこちらも最後はノックオン。その後、科学技術高校は自陣からモール形成するもここはペナルティ。灘高にチャンスが訪れたかに見えましたが、このボールをタッチに出せずデッドボールラインに出てしまいます。
チャンスを潰した灘高ですがその後、相手ミスからマイボールにすると、相手ペナルティから今度は残り5mのところでマイボールラインアウトとすると、そこから展開し攻め込みます。最後は10番がステップで相手ディフェンスの内側を抜け出してトライ!ゴール成功で28-14と追い上げます。
その後も互いにチャンスを作ります。科学技術高は、敵陣へと攻め込むと相手ペナルティからクイックで攻め、モールに。がここは得点できず、相手ボールとなると、今度は灘高校がハイパントから右へ展開していくもフォワードパスとなり、こちらも得点にはつながらず。後半も15分が過ぎます。
すると、今度は科学技術高が展開で攻め込みます。マイボールスクラムから右サイドゲインしていくと、ラックから左へ大きく展開。11番が左隅にトライを奪い、ゴールも成功。35-14とリードを広げます。
さらに後半20分頃には、再び右サイドで14番がディフェンスライン抜け出すと、そのままゴール中央にトライ!ゴール成功で42-14とします。
その後、灘高校は再びハイパントから崩そうとするも、ここは相手にキャッチされてボールを奪われると、今度は科学技術高校がチャンスを掴みます。相手ペナルティが続き、ゴール前に進出すると、再びペナルティからモールを形成。モール押し込むと、最後9番が抜け出してトライ!ゴール成功で49-14とします。
さらに後半ロスタイムに入ってからも科学技術高が敵陣でラックを乗り越えてマイボールにすると、最後はこの日何度も見せたモールでトライを奪います。ゴール不成功で54-14とするとここで、試合終了。
結果、54-14で科学技術高校が灘高校に勝利し、準決勝進出を決めました。
試合を振り返って
この試合、科学技術高は、なんといってもモールで圧倒した試合となりました。この日奪ったトライは全部で8本でしたが、そのうち6本はモールで奪ったトライ。かなり自信をもっていたと思います。モールで押し込むことで、相手ペナルティも増えて、より優位に試合を進めたと思います。
高校ラグビーの場合、モールを武器にして、トライを取りきることができるチームはそれだけで得点パターンが持てます。そうはいうものの、練習しない簡単に割られたり、崩れてしまうこともあるので、日頃の練習成果がしっかり出たと言えるでしょう。
また、後半に入ると、モールだけでなく展開でも2トライを奪ったのも今後に向けては大きいと思います。この試合でいえば、接点でも優位に立てていましたが、今後上位校相手にどれだけファイト出来るかというのも注目点ですね。
対する灘高校ですが、この試合でいえばどうしてもペナルティが増えてしまい、自陣でのプレーが多くなったこと、またそれに対して相手のモールが止められなかったことで、リズムを掴めなかった試合になってしまいました。この辺りは相手の強さにやられてしまった印象です。
対して攻撃面を見ると、10番がハイパントやキック、ラン、パスなど攻撃の起点として活躍していました。どれをとっても素晴らしかったのでとても楽しみな選手だなと感じました。
試合でいえば、新人戦と同様の点差となりましたし、科学技術がうまく自分たちの流れで試合をすることができたゲームだったかと思います。
全体を通じて
勝利した科学技術高校はこれでベスト4進出決定となります。次の試合は関西学院高校との対戦です。今日の試合に比べると、相手のFW陣はかなり強力ですし、簡単にはいかない試合にはなるかと思いますが、是非食らいついていってもらえればと思います。
関西学院vs科学技術の準決勝は、6月7日(日)11:20からユニバー記念補助競技場での試合となります。
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