日本ラグビー界の最高峰のリーグ、それがトップリーグです。2016年からは主にNZ、オーストラリア、南アフリカの3カ国からなるスーパーラグビーというプロリーグに日本チームとしてサンウルブズが加入していますが、国内だけの最高峰のリーグは、今でもトップリーグになります。
そのトップリーグが今年も8月18日に開幕します。
今年は全16チームを2つのカンファレンスに分けて、それぞれのカンファレンス(8チームずつ)で総当たりのリーグ戦を行い、さらに別カンファレンス8チームのうち、6チームと対戦。
その後順位ごとに順位決定トーナメント2試合を行い、全チームの順位を決定します。
15年目を迎えるトップリーグですが、ふとしたことを思いました。そもそも「トップリーグ」という名称はいつまで続けるのかということです。もう少しいえば、「トップリーグ」という名称はそろそろ変えたほうがいいのではないかと個人的に思っています。
ということで今回はトップリーグの名称について考えます。
トップリーグの名称変更
普段から見ている人もあまり意識したことはないかもしれないですが、トップリーグは正式には「ジャパンラグビー トップリーグ」という名称です。ただ、普通は「トップリーグ」と称されることが多いので、そこまで気にしない人の方が多いでしょう。
そのトップリーグですが、そもそもトップリーグの名称については結構前からなんでトップリーグなんだろう?と思っていました。
ラグビーならラグビーらしい名称の方がいいのでは?
そもそもとして、「トップリーグ」と言われた際にそれがラグビーのことだとわかる人ってどれだけいるでしょうか。自分自身にも経験がありますが、誰かを誘うときに「トップリーグ見に行こうよ」ではなくて「ラグビー見に行こうよ」と誘うことが多い気がします。よく知らない人に「トップリーグ」といってもなんのことかわからないので、「ラグビー」にしたほうが通じるからです。逆に言えば、トップリーグの名称が一般には浸透していないのでは?と思っています。
知名度で言えば少し前の調査ですがこんなものがありました。2015W杯直後のものなので今とは少し状況が異なるとは思いますが、参考にどうぞ。
http://www.ymfs.jp/project/culture/survey/007/pdf/ymfs-report_20160707-full.pdf#search=%27トップリーグ+知名度調査%27
名称を付けるからには一般に浸透しているかは一つの指標になるかと思います。現状はそこまで浸透していません。一般の方からすると、トップリーグ=ラグビーの国内最高リーグという認識まで至っていない人が多く、トップリーグ=ラグビーという認識もできていない人も多いと思います。
トップリーグという名称が他にも使われている
トップリーグが認知度が低い要因としては、「トップリーグ」がありきたりな名称なので他にも使われていることも挙げられるでしょう。トップというのが使い易い言葉であるので、他のスポーツでも地域リーグなどで使われることがあります。
また、日本トップリーグ連携機構という団体があり、これが余計にややこしくさせてます。日本トップリーグ連携機構とは、日本のボールを扱う9競技の日本の最高峰12リーグの競技力の向上と運営の活性化を目指した活動を行っている団体です。
要するにいろいろな競技団体のトップが集まってできた団体なんですが、思いっきりトップリーグという名称がかぶってしまっているので、ラグビーのトップリーグと、競技団体の総称のトップリーグ機構が存在しているというややこしい状況です。
さらに言えば、この日本トップリーグ連携機構にジャパンラグビー トップリーグも加盟しているのもややこしいですし、この日本トップリーグ連携機構の名誉会長が森喜朗氏(ラグビー協会の前会長)であることも話をややこしくさせています笑。
何れにしても「トップリーグ」という名称がありきたりすぎるので、それがラグビーの国内最高リーグと結びつかないという現状がある気がします。
トップリーグは最高峰のリーグなのか?
トップリーグが知名度不足であっても、以前はまだなんとかなっていたかと思います。一般への知名度はさておいても、国内最高峰の「トップ」のリーグであることには違いなかったからです。ただ、ご存知のように現在はサンウルブズがスーパーラグビーに参戦し、国内でトップリーグよりもさらにハイレベルなラグビーが観戦できる状況になりました。もちろん、国内限定のリーグという意味ではトップリーグが今でも最高峰です。ただ、国内でスーパーラグビーが見れる現状なので、国内で見れるラグビーという意味ではトップリーグよりもハイレベルなラグビーを見ることができます。
トップリーグでもスーパーラグビーレベルのゲームがゼロではないのは確かですが、年間で数えることができる程度だと思います。
こうなると、国内「トップ」ではないリーグになってしまい、名称がホントにトップリーグでいいのか?という話もありえるのではと思っています。
名称変更は変革・プレゼンス向上のチャンスになる
いろいろと言ってきましたが、正直言えば名称はそこまで気にしなくてもいいのではないかとも思っています。ではなぜここで名称変更にこだわるかというと、名称変更がトップリーグの大きな変革の機会になり得るからです。
バスケット界ではそれまで2つのリーグに分かれていたものを1つにして、新しくプロリーグのBリーグを設立しました。「名称はBリーグです」というアナウンスは名称変更だけではなく、これまでの体制と大きく変わるぞということも指し示すことができる可能性を持っています。
トップリーグはW杯後の2015年/2016年シーズンこそ大きく観客動員を伸ばしたものの、2016/2017シーズンは元の観客数に戻ったような状況です。おそらく今シーズンも昨シーズンと大きく変わらずのシーズンになるのでしょう。
昨年と同様に続けていっても何も変わらないので、何かを大きく変えていく必要があります。
もちろん、所詮名称をトップリーグから別のものに変えただけでは大きくは変わらないでしょう。でも少なくとも今シーズンは新たな取り組みを始めますというメーッセージにはなりますし、それを取り上げてもらう機会も増えるかもしれないです。また、名称に合わせて、これまで前年度を踏襲していた慣習も見直されるかもしれないです。
また、名称変更にファン投票などを入れてSNSで投票するなどすればファンからも盛り上がりが期待できるかもしれないです。
少なくとも現状打開の意味では、名称も変更して新しい体制作りをしていくとなれば、大きな変革・プレゼンスの向上のチャンスになるでしょう。
現状のトップリーグの名称のままでも変革は可能だとは思います。でもせっかく変えるなら名称も含めて、新しいリーグを作りました、という方がプレゼンスも向上するのではないでしょうか。
トップリーグもプロ化を勧める声もありますし、企業動員に頼った形での運営ではこれまでと変わらないリーグになってしまうでしょう。いきなりプロ化は無理かもしれないですし、企業頼みがなくなればこれまでのような余裕がなくなってしまう恐れもあります。
それでも多くの人が今のままで良いとは思っていないでしょうし、徐々に変えていくのであれば、一気に変えてしまう方がいいのではないかと思います。
そのタイミングで名称も含めてもっとラグビーらしい、一般の方がわかるような名称に変更する、それをファンも含めた形で取り上げれば、日本ラグビー界も変わっていけるのではないでしょうか。
もちろんこれらの変更もすぐにできるものではないでしょう。現実的には2019年W杯以降となるかと思いますが、少なくとも将来的な形を考えていかないといけない頃になってきたと思います。
まとめ
以上のように書いてきましたが、これは思いつきも含めて書いているので、実現するかどうかわからないことも書いています。そもそも「名称はトップリーグのままでいい、知名度も徐々に上がっているから変えない方がいい」という方もいるでしょう。
名称変更が正しいかはわからないですが、多くの方は今までと一緒ではダメとは思っているはずです。トップリーグの名称変更はそのきっかけになって、大きく変わるチャンスでもあるような気がしているのですがいかがでしょうか。
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