2016年6月5日(日)、奈良県天理親里競技場で"2016 RUGBY SESSION IN NARA"が開催されました。この日行われたのは、高校ラグビー1試合と大学ラグビー1試合。
高校ラグビーは地元・天理高校と大阪の常翔学園の対戦。大学ラグビーはこちらも地元・天理大学と大学ラグビー7連覇中の王者・帝京大学との対戦となりました。
注目は何といっても大学勢の試合。関西大学ラグビー界で優勝争いに絡んでくるであろう天理大学が大学ラグビー界の王者・帝京大学にどう挑むのか。多くの観客が集まった試合となりました。
帝京大学-天理大学
帝京大学は現在大学選手権7連覇中と大学勢相手にもはや敵なしの強さをみせつけている大学。今年に入ってもその強さは変わらず、関東春季大会でも他大学を圧倒して、今年も大学選手権優勝候補間違いなしという地位にいます。
対する天理大学は昨年度関西大学リーグ2位。大学選手権では予選リーグで2勝するも東海大に敗れて準決勝進出ならず。とはいえ、ここ数年安定した強さを見せており、今年も関西リーグ優勝候補の1つとなるでしょう。
そんな両チームの対戦とあって、注目度高いゲームとなりました。
前半 帝京大-天理大
前半は天理大学のキックオフで試合開始です。
試合は前半からよくボールが動く面白い展開となります。得点が動いたのは前半5分。天理大が敵陣に入りフェーズ重ねていくと、帝京大がハンドのペナルティ。これをタッチに蹴り出し、残り5mでマイボールラインアウトとした天理大は、そこからフェーズ重ねて攻め込みます。最後は中央でのラックから9番がラック右をついてトライ!ゴール成功で7点を天理大が先制します。
帝京大 0-7 天理大 前半5分 天理大トライ!ゴール成功
対する帝京大も徐々にボールを持つ時間が長くなります。ハンドリングエラーで得点にはつながらないものの、リズムよく攻める時間が増えてきます。帝京大は、前半12分、相手ボールラインアウトがオーバーしたところをマイボールにすると、そこから連続攻撃。ゴール前に持ち込むと最後はゴール前ラックから6番が押し込んでトライ!ゴール成功で帝京大が追いつきます。
帝京大 7-7 天理大 前半12分 帝京大トライ!ゴール成功
その後も帝京大が攻め込みます。前半20分に相手オフサイドがあり、タッチに蹴り出し、ラインアウトに。ここからボール継続すると、最後院ゴール目前でFWが近場を攻め続け、最後4番が抑えてトライ!ゴールも決まり、帝京大がリードします。
帝京大 14-7 天理大 前半20分 帝京大トライ!ゴール成功
その後、天理がボールを持つも帝京大ディフェンスが固く、相手ボールとなります。帝京大は前半26分、ゴール前ラインアウトのチャンスを得ると、相手ディフェンスのスキができたところを9番がするするっと抜け出して一気にトライ!ゴール不成功も帝京大が連続トライで追加点をあげます。
帝京大 19-7 天理大 前半26分 帝京大トライ!ゴール不成功
なんとか前半のうちに得点差を縮めておきたい天理大は前半33分。自陣でのマイボールスクラムから右にボール回すと、13番が相手タックル受けるも力強く抜け出してゲイン。その後、そのまま右隅まで独走し、トライ!ゴールも決まり、5点差に追い上げます。
帝京大 19-14 天理大 前半33分 天理大トライ!ゴール不成功
さらに前半残りわずかとなったところで天理大は敵陣入って攻め込みます。ここで帝京大にペナルティがあり、天理はショット選択。これをきっちりと決めて2点差まで追い上げます。
帝京大 19-17 天理大 前半40分 天理大PG成功
このショット決まったところで前半終了。途中帝京大がつきはなしかけるも天理大も粘りを見せて2点差で後半に入ります。
帝京大 19-17 天理大 前半終了
後半 帝京大-天理大
後半は帝京大学のキックオフでスタートです。
後半開始早々、チャンスを作ったのは帝京大学。スクラムから左サイド展開していくと、11番が中央に切れ込んでいってクロスしてボールもらい、そのまま抜け出してトライ!ゴールも決まり、帝京大がリードを広げます。
帝京大 26-17 天理大 後半1分 帝京大トライ!ゴール成功
その後も帝京大が相手ボール奪ってから一気に速攻で攻める場面が目立つようになり、一段とギアを上げてきた感じがします。後半8分、帝京大が敵陣でよいテンポで攻め込むと、相手ノックオンがあり、マイボールスクラムに。ここからアタックして素早くボールつなぐと最後7番がトライ!ゴール成功でさらに点差を広げます。
帝京大 33-17 天理大 後半8分 帝京大トライ!ゴール成功
さらに後半13分にも相手ペナルティからクイックでカウンターに出る帝京大。左サイドゲインすると、最後は14番が抜け出してトライ!後半に入り、一気にトライを量産していきます。
帝京大 38-17 天理大 後半13分 帝京大トライ!ゴール不成功
後半22分には、敵陣深く攻め込み、相手ペナルティでスクラムを選択する場面が続きます。天理大はペナルティが続き、そのたびにスクラムを選択。最後はスクラム押し込んで認定トライをもらい、勝負を決めてきます。
帝京大 45-17 天理大 後半22分 帝京大トライ!ゴール成功
が、その後キックオフから逆に天理大がチャンスを作ります。天理大が敵陣深くでのラインアウトからモール形成して押し込み、最後帝京大がペナルティ。ここで認定トライとなり、天理大も後半最初のトライを奪います。
帝京大 45-24 天理大 後半24分 天理大トライ!ゴール成功
その後も天理大が攻め込む時間帯は作るものの、帝京ディフェンスが固く、得点にはつながらず。逆に帝京大は後半28分、自陣ラックでボール奪うと、左サイドに素早く振って10番が左隅をゲイン。その後フォローしていた9番につないでそのまま独走してトライ!ゴールも決まり得点を52点とします。
帝京大 52-24 天理大 後半28分 帝京大トライ!ゴール成功
後半35分、帝京大はゴール前でラインアウトとするとまずはモールで押し込み、その後右に展開。最後は23番→15番とつないでトライ!ゴールも決まります。
帝京大 59-24 天理大 後半35分 帝京大トライ!ゴール成功
試合は残りわずかとなり、天理大は自陣からも攻め込みます。なんとか敵陣まで進むも、最後は絡まれてノットリースザボール。すると帝京大はここからカウンターでつないでいきます。天理大も必死にタックルにいくも帝京がボールつないで最後7番がおさえてトライ!最後の最後にトライを奪います。
帝京大 66-24 天理大 後半ロスタイム 帝京大トライ!ゴール成功
試合はゴールが決まったところで終了となり、結果帝京大が大量リードで天理大に勝利した試合となりました。
帝京大 66-24 天理大 試合終了
試合を振り返って
前半は帝京大がリードしていたものの、最終的に天理も追い上げ、2点差で折り返しました。ただ、前半から天理大の消耗は激しそうな印象を受け、後半どうなるかと思ったところで、帝京大が一気に突き放してリードを大きく広げていった試合となりました。
特に後半開始から20分くらいまでは一気にテンポをあげてきて、天理ディフェンスが間に合わない場面が目立つようになりました。基本的にはフィジカルの強さがある帝京大に対して、天理大は苦しみながらも前半はなんとか耐えていた感がありますが、後半に入り、テンポアップされたところでついていかなくなった、という印象です。
また、攻守の切り替えからのトライも多く、このあたりの速さもトライを量産していったポイントになったかと思います。帝京大も日本代表に松田選手が選出されていたり、LO姫野選手が不在だったりとベストメンバーではなかったにしろ、やはりトップリーグ中位レベルの実力派あるチームと感じました。
対する天理大も後半はついていけない部分がありましたが、体格差もある中で前半は攻守によく動いていたと思います。後半はついていけなくなってしまいましたが、攻守に良いプレーは多く、関西でいけばやはり今年も優勝候補の一角を占めるかと思います。
まとめ
この試合、注目のゲームということで、天理親里競技場にも多くの観客が詰めかけました。また、攻守の切り替えも多く、都度観客が沸く展開となり、面白いゲームであったと思います。春のシーズンは、まだまだ調整段階であったり、チームとしていろいろと試している部分も多いと思います。秋のシーズンに向けて各チームしっかり準備していってもらえたらと思います。
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