2015年9月5日(土)、今年のトップリーグ開幕戦となる、プレシーズンリーグ2015の第1節、近鉄ライナーズとサントリーサンゴリアスの試合が、大阪・ヤンマースタジアムで開催されました。
今年はW杯がイングランドで開催されるため、通常のリーグ戦は11月の開幕と例年より遅くなります。
その代わりに、プレシーズンリーグというリーグ戦が、9月〜10月に開催されます。
このプレシーズンリーグは全16チームが4チームずつ4つのグループにわかれ、各チーム3試合ずつリーグ戦を行います。
その後は順位ごとにトーナメント戦を行います。
この日の試合はそのリーグ戦の1試合目となります。
近鉄ライナーズとサントリーサンゴリアスはプールBになります。
プールA | プールB | プールC | プールD |
パナソニック ワイルドナイツ | ヤマハ発動機 ジュビロ | 神戸製鋼 コベルコスティーラーズ | 東芝 ブレイブルーパス |
トヨタ自動車 ヴェルブリッツ | サントリー サンゴリアス | NTTコミュニケーション シャイニングアークス | キヤノン イーグルス |
NEC グリーンロケッツ | 近鉄 ライナーズ | NTTドコモ レッドハリケーンズ | リコー ブラックラムズ |
ホンダ ヒート | コカ・コーラ レッドスパークス | クボタ スピアーズ | 豊田自動織機 シャトルズ |
近鉄ライナーズvsサントリーサンゴリアス
開幕戦の対戦は、昨年度トップリーグ12位の近鉄ライナーズと昨年度5位のサントリーサンゴリアスの対戦になります。
プレシーズンリーグということで、日本はもちろん、各国の代表選手はワールドカップがありますので出場しません。この2チームで言えば、サントリーは日本代表はじめ、各国代表選手が多く、それ以外の選手で挑むことになります。
対する近鉄もトンプソン・ルーク選手が代表にいますので、この試合は不在となります。若い選手も多く出場する試合、果たしてどうなったでしょうか。
前半
前半は、近鉄ライナーズのキックオフで試合開始です。
試合は序盤から近鉄が相手陣でのプレーが続き、ペースを握ります。キックオフからサントリーがボールキープし、攻め込むも、近鉄が接点でうまく絡んで、サントリーのペナルティ。近鉄はラインアウトを選択するも、ノックオンで最初のチャンスを活かせません。が、その後も序盤はサントリーのペナルティで近鉄がラインアウトから攻めるも、得点は奪えず、という形で前半6分が経過します。
その後は、サントリーの時間帯に。サントリーが自陣でのマイボールスクラムで近鉄がコラプシング。ハーフウェーライン付近からのラインアウトからサントリーが連続攻撃も、ここはスローフォワードで、近鉄ボールのスクラムに。しかし、このスクラムで近鉄がコラプシングとなり、サントリーがショットを選択。このPGをサントリーが決めて、サントリーが3点を先制します。
近鉄0-3サントリー 前半11分 サントリーPG成功
キックオフからサントリーはタッチに蹴りだし、近鉄は敵陣35mほどの位置からラインアウトに。ボールキープし、フェーズ重ねると、サントリーがオーバーザトップのペナルティ。近鉄はショットを選択し、成功。近鉄が同点に追いつきます。
近鉄3-3サントリー 前半14分 近鉄PG成功
この後はサントリーが攻め込み、近鉄のペナルティからもクイックで素早く攻撃。しかし、最後は相手に絡まれてペナルティ。この日、前半はサントリーが攻め込むもペナルティを犯すという場面が目立ちました。
このペナルティから近鉄は敵陣に入ってラインアウトを選択。ボールキープし攻め込むと、サントリーがオフサイド。近鉄はこの場面もショット選択しますが、ここは不成功となります。
近鉄3-3サントリー 前半18分 近鉄PG失敗
前半20分過ぎ、サントリーはハーフウェーライン付近のマイボールスクラムから攻め込むも、近鉄にターンオーバーされ、その後サントリーがオフサイド。近鉄は敵陣でのラインアウトから攻め込み、今度はサントリーがノットロールアウェイのペナルティ。近鉄がショットを選択し、今度は成功。6-3と近鉄リードに変わります。
近鉄6-3サントリー 前半23分 近鉄PG成功
その後のキックオフからは近鉄がチャンスを作ります。10番が自陣からディフェンスの裏に蹴り上げると、バウンドしたボールを15番がキャッチし、さらに前方へキック。ここはサントリーがなんとかキープし、タッチに蹴りだします。
その後サントリーのノックオンがあり、前半26分頃に近鉄がマイボールスクラム。近鉄はここから展開すると14番が抜け出して大きくゲイン。その後中央でのラックから素早く左へ展開もラストパスが高くなりタッチにそのまま出てしまい、得点できません。
その後は蹴り合いから近鉄が相手ラインアウト乱れたところをキープし、連続攻撃。さらに相手ペナルティからクイックで攻め込み、ゴール前へと迫ります。最後は7番大隈選手が射手を押し込んでトライ!ゴールも成功し、近鉄が7点を加えます。
近鉄13-3サントリー 前半30分 近鉄トライ!ゴール成功!
その後は近鉄のペナルティからサントリーがゴール前5m付近でラインアウトのチャンスを得ると、フェーズを重ねます。近鉄のペナルティもあり、連続攻撃でインゴールに迫るも、最後はターンオーバーされ、得点ならず。サントリーはその後も攻め込むも、相手ディフェンスに絡まれてノットリリースザボールをとられる場面があり、良いチャンスを作れません。
逆に近鉄も相手ペナルティからラインアウトのチャンスを得るも、ノットストレートとなり、チャンスを活かせず。前半はこのまま終了となります。
近鉄13-3サントリー 前半終了
後半
後半はサントリーサンゴリアスのキックオフでスタートです。
後半最初にチャンスをつかんだのも近鉄でした。相手のノットリリースザボールから22mライン付近でのラインアウトのチャンスを得ると、ここからフェーズを重ねて攻撃。
左サイドへ展開すると、11番が左隅でゴール前まで攻め込むものの、最後はタッチへ。このチャンスを活かせません。
すると今度はサントリーがボールをつないで攻め込みます。後半6分、サントリーがハーフウェーライン付近のスクラムからボールキープし、敵陣へ進むと、近鉄のペナルティがあり、クイックでさらに前進。22mラインに近づくと、さらに相手のオフサイドからクイックで攻撃。最後は左サイドが余って左隅に14番中づる選手がトライ!ゴールも決まり、3点差に迫ります。
近鉄13-10サントリー 後半6分 サントリートライ!ゴール成功!
その後サントリーが相手ペナルティで敵陣入ったところでラインアウト。ここから攻め込もうとするも、ノックオンで近鉄ボールのスクラムになります。が、このスクラムで近鉄がコラプシング。サントリーはショットを選択するもここは不成功となり、点数は動きません。
近鉄13-10サントリー 後半11分 サントリーPG失敗
この後、サントリーは16番がシンビンとなり、10分間の退場となります。近鉄はここで得たペナルティからショット選択。見事成功し、点差を6点に広げます。
近鉄16-10サントリー 後半12分 近鉄PG成功
その後、1人多い近鉄は相手ペナルティから22mライン付近でのラインアウトのチャンスを得るも、ここはノックオンでチャンスを活かせず。ここからは両チームともにボールキープするもののノックオンで相手ボールになる、という時間が続きます。
後半19分頃、近鉄自陣でのマイボールスクラムから蹴り合いとなり、サントリーのキックから近鉄は、カウンターを仕掛けます。15番がキックし、これを自らキャッチ。11番にパスしてゴール前に迫るも、ここはターンオーバーされます。その後サントリーのキックから再び攻めるもノックオン。逆にサントリーがしかける場面もありましたが、ノットリリースザボールとなり、中々チャンスを作れませんが、15人に復帰し、残り20分を切ってきます。
サントリーはその後、SHからのキックで敵陣深くまで陣地を得ると、ゴール前でのラインアウトから攻撃。ラックからディフェンス手薄なブラインドサイド(右サイド)に移動しながら攻め込み、最後は再び14番中づる選手がトライ!ゴールも決まって逆転に成功します。
近鉄16-17サントリー 後半26分 サントリートライ!ゴール成功!
その後互いにノックオンがあった後、サントリーは途中出場23番江見選手が自陣から大きくゲイン。相手ペナルティからさらにクイックで攻め込むと、またも近鉄がペナルティ。ここでサントリーはショット選択し、見事成功。4点差へとリードを広げます。
近鉄16-20サントリー 後半31分 サントリーPG成功
残り10分を切り、サントリーが再びカウンターから攻め込むものの、ここはオーバーザトップの反則を取られ、近鉄はPGを選択。ここは惜しくも外れてしまい、得点は動きません。
近鉄16-20サントリー 後半34分 近鉄PG失敗
残り5分となり、近鉄はなんとかトライを奪いにいきます。サントリーのオフサイドで近鉄は敵陣22mないでのラインアウトのチャンスを得ます。ボールキープし、フェーズ重ねて攻め込むも、最後はノットリリースザボールのペナルティでチャンスを活かせず。
結局このまま試合は終了し、サントリーが近鉄に勝利しました。
近鉄16-20サントリー 試合終了
試合を通じて
試合は前半から近鉄が優勢に進めていた試合でした。特に前半は相手の攻撃をしっかり止めて、相手が突っ込んでくるところにうまく絡んで、ノットリリースザボールを誘う場面が多く、相手にペースをつかませなかったと思います。攻撃面でも何度かトライチャンスは作ったものの、最後トライに結びつけることができなかったのが最終的には痛かったです。
対するサントリーは序盤からペナルティが多く、苦しい展開に。特に連続攻撃を仕掛けるも相手に絡まれてペナルティという場面が多く、リズムが作れなかった印象です。各国代表選手が抜けていることもあってか中々修正できない試合でしたが、後半になると、やや改善された印象でした。
特に順目に攻めるだけでなく、内側にパスを戻して攻める、あるいは逆目に移動しながら攻めるといった変化をつけてきたことで、相手ディフェンスを崩していったかと思います。
厳しい試合でしたが、うまく勝ちきることができました。
最後に
この日は開幕戦ということ、しかもプレシーズンマッチという例年とは異なる開幕となり、各チームの取り組み方も微妙に異なるかとは思います。が、今いる選手たちにとって、特にこれまで試合に出る機会の少なかった選手や新人選手にとっては、良いチャンスとなるゲームが続きます。
層を厚くし、チーム力を高めることも良いチームの条件になってくると思いますので、各チームともに選手たちには是非がんばってもらいたいですね。
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