第66回近畿高校ラグビー2回戦~東海大仰星vs御所実業~

高校ラグビー
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3月21日(土)に第66回近畿高等学校ラグビーフットボール大会2回戦4試合が行われました。近畿大会には全16チームが出場し、3月15日に大会開幕。2回戦に進出しているのは8チームとなります。

2回戦は全部で4試合。この4試合の勝者が23日(月)の準決勝へ進出となります。また、この2回戦にはもう1つ大きな意味があります。この試合に勝利すれば、4強進出と同時に、熊谷で開催される第16回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会、通称春の選抜ラグビーへの出場が決定となるからです。

近畿からの出場校枠は5つ。厳密に言えばこの2回戦に負けても推薦で1校決まるわけですが、そうはいっても自力で選抜出場を決めるにはやはりこの2回戦での勝利が必須です。

もう1つ注目度が高いのは、やはり2回戦に出場する8チームの顔ぶれでしょう。

この日行われる試合は、4試合。対戦カードは下記のようになっていました。

  • 東海大仰星(大阪)- 御所実業(奈良)
  • 天理(奈良)- 大阪桐蔭(大阪)
  • 常翔学園(大阪)- 関西学院(兵庫)
  • 大阪朝高(大阪)- 京都成章(京都)

このまま全国8強と言われてもそん色ないような豪華な組み合わせが揃っており、全国的にも注目度が高かったのではないかと思います。

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東海大仰星-御所実業

まずこの日の第一試合となったのは東海大仰星と御所実業の試合です。第一試合から昨年度の花園ベスト8の東海大仰星と準優勝の御所実業の対戦という豪華な対戦カードとなりました。

東海大仰星は昨年ベスト8どまり。これでももちろん凄いのですが、優勝候補として考えられていたので、どこか物足りなく見られるというレベルの高い悩みを持つチームです。東海大仰星は1回戦は熊野高校を99-0で完勝。2回戦を突破し、まずは選抜出場を早々に決めたいところです。

対する御所実業は花園準優勝。惜しくも優勝は逃しましたが、その力を全国に示しました。新チーム発足後、全国レベルでの公式戦はこの試合が最初となるので、現時点でどこまでのチームになっているかの判断材料となりそうです。なお1回戦は膳所高校を98-0とこちらも大勝し、この試合に挑みました。

前半

前半は御所実業のキックオフで試合開始です。

試合は序盤から東海大仰星がペースを握りました。前半から素早い出足と鋭いタックルで相手のリズムを狂わせて、マイボールにするなどディフェンス面での寄せの早さから良いリズムを作り出していました。

先制したのも東海大仰星高校。相手陣22m内でのマイボールラインアウトから連続攻撃。最後は6番がインゴールに潜り込んでトライ!ゴールは外れて5-0と東海大仰星が先制します。

その後は御所実業が相手陣22m内まで攻め込む時間となりましたが、東海大仰星がターンオーバーし、ハーフウェーライン付近まで戻されてしまいます。結局次に得点したのも東海大仰星でした。自陣10m付近からハイパントを蹴り上げると、相手のキャッチに鋭くタックル。御所実業は後ろに戻され、なんとかつなごうとパスするもこぼれたボールを東海大仰星が拾います。するとここから右に大きく展開して14番が右サイドを抜け出し、中央にまわりこんでトライ!ゴールは外れ10-0とします。

さらに、前半残り時間5分ほどで東海大仰星のマイボールスクラムから左サイドへと展開していくと、オフロードパスでつないでいき、最後は14番が左隅にトライ!ゴール外れて15-0とリードを広げます。

対する御所実業は、相手のキックに対して、10番がチャージし、インゴールに転がったボールを追いかけたものの、グラウンディングはできずノートライに。しかし、この前のプレーで得たペナルティでキックを選択します。ゴールが決まったところで前半終了。前半は15-3と東海大仰星がリードして終了となりました。

後半

後半は東海大仰星のキックオフで試合スタートです。

後半に入ると、さらに東海大仰星が激しく攻め込みます。後半5分程に、東海大仰星はマイボールラインアウトから近場を攻めて連続攻撃。最後は1番が飛び込んでトライ。ゴールも決まって22-3とリードを広げると、ここからさらにトライを重ねます。

後半9分頃には相手陣10m付近でのボールをつないでいくと、中央で5番がすっぽりと抜け出してそのままインゴールに飛び込んでトライ!ゴール成功で29-3とします。さらに15分頃には相手陣5mでのラインアウトでモールを形成して押し込むと、最後は9番がボールを持ちだして左へ回り込んでトライ!ゴールも決まって36-3とします。

対する御所実業もこの後反撃。相手陣に攻め込み、チャンスを作ると、相手の反則によるフリーキックをクイックでスタートし、展開。最後は18番が飛び込んでトライ!ゴールは外れるも36-8とこの試合初トライをあげます。

が、この試合は東海大仰星が抜き出ていました。後半終了間際にもマイボールスクラムから展開し、10番が縦に走り込んでトライ!ゴールは外れて41-8となります。

試合はこのまま終了。結果、41-8で東海大仰星が御所実業を破り、準決勝進出とともに選抜出場を決めました。

全体を通じて

この試合は、前後半通じて東海大仰星が強さを見せた試合でした。個々のフィジカルの強さという意味でもそうですが、ディフェンス面での出足の早さ、タックルの鋭さという点で際立っていたかと思います。相手に攻め込まれる場面もありましたが、大きなピンチと感じることは少なく感じました。また攻撃面ではFWの強さから前進する場面も目立ちまし、フォローがしっかりしているので、素早く球出しできる場面が多く、相手ディフェンスが整う前に攻め込むことができたと思います。この後の準決勝以降も楽しみですし、選抜でも良い結果が得られるのではないかと思います。

対する御所実業ですが、得失点差が示すように現時点ではまだまだこれからという感じでしょうか。攻撃面では相手の圧力に屈して、下げられる場面や、苦し紛れにパスを出すような場面もあり、全体として力負けという感じがしました。本来なら粘り強くディフェンスで食らいつくのが御所実業の良さだとは思いますが、現時点では相手のパワーに負けてトライを奪われたという印象です。

とはいえ、春の時点ではまだまだでも秋にかけて大きく伸びていくというのも御所実業の特徴ではないかと思います。この試合は1年生も多く出ており、今後に向けてさらに練習・強化を進めていってくれることと思います。サイズ的には大きくないチームですし、毎年突き抜けた選手がいるというよりはチーム全体で粘り強く守る、モールで確実にチャンスをものにするというようなタイプのチームです。秋には進化した強いチームとなることを期待しています。

※なお、得点に至る過程や選手番号などは個人で見た範囲で書いてます。もし実際と異なっていたらすみません。

 

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