2015年6月14日(日)、兵庫県フェニックスラグビーカーニバルが行われました。この日はメイングラウンドでは神戸製鋼OBとワールドOBの試合が、また、メインの試合としては関西学院大と慶應義塾大の試合が行われました。
また、これと並行して、サブグラウンドでは、第69回兵庫県民大会少年の部としてシード校決定戦(3位決定戦)と決勝戦が行われました。また、この試合のほかにも、男子セブンズ、社会人選抜vsクラブ選抜、女子セブンズ 神戸甲北高vsU-18女子選抜の試合も行われ、さらにはスクール交流会も開催され、多くの人が参加したイベントとなりました。
サブグラウンドで行われた1試合目は兵庫県民大会のシード校決定戦、神戸市立科学技術高校と尼崎市立尼崎高校の対戦となりました。
科学技術vs市立尼崎
神戸市立科学技術高校はこの大会、決勝トーナメントから参加。1回戦では甲南高校と対戦し、19-17と接戦をものにして、準々決勝進出。準々決勝では灘高校相手に54-14で勝利。準決勝進出となりました。準決勝では関西学院高校と対戦。前半は粘りのディフェンスを見せたものの、49-0で敗れ、このシード校決定戦に挑むことになりました。
対する尼崎市立尼崎高校は、今大会、決勝トーナメントから登場。1回戦では川西北陵高校相手に43-0で勝利すると、準々決勝でも兵庫工業高校相手に54-5で勝利。準決勝ではこちらも後半突き放されて、0-67で敗戦となり、このシード校決定戦に挑みます。
新人戦でも3位決定戦で対戦している両チーム。その際は40-19で市立尼崎高校が勝利しています。今大会も市立尼崎が勝利するのか、それとも科学技術高校が勝利するのか、楽しみな一戦となりました。
前半
前半は、市立尼崎高校のキックオフで試合開始です。
試合開始から先にチャンスを作ったのは市立尼崎。相手ペナルティから敵陣でのラインアウトのチャンスを得るも、ここは合わず、科学技術ボールに。すると、科技高もハーフウェイラインまで戻していき、相手ペナルティで敵陣22mでのラインアウト。しかし、ここはノットストレート。お互いラインアウトが乱れ、最初のチャンスをつぶします。
その後は科学技術高校が敵陣でプレーする時間が長くなります。相手ボールをターンオーバーすると、市尼がペナルティ。残り10mのところでラインアウトから攻め込むも、ここはいったんノックオンとなってしまいます。が、このスクラムで市尼がノットストレート。再び科学技術高校がチャンスをつかみ、ゴール前モールで押し込みます。前半8分、科学技術が最後FWが押し込んでインゴールに持ち込むも、ここはグラウンディングできず。得点にはなりません。
その後も科学技術がモール組もうとするも、アクシデンタルオフサイドで相手ボールとなると、市尼がいったん陣地を戻します。が、再び科学技術がカウンターから敵陣へ。まずはバックスで攻め込み、その後はFWで押し込むと、相手ハンドのペナルティ。前半12分、このペナルティから科学技術がモールを組み、そのまま押し込んでトライ!ゴール成功で7-0と科技高が先制します。
このトライの後は市立尼崎ペースに。相手ペナルティで22m内ラインアウトから攻め込むも、最後はタッチに出され、得点ならず。その後、敵陣でのスクラムから左サイドに展開していき攻め込むも、ここもペナルティで相手ボールとなり、市立尼崎は大きく陣地を返されてしまいます。
が、前半19分、このラインアウトで市立尼崎がターンオーバーすると、そのままボール奪った8番が左サイドをゲイン。相手を弾き飛ばしていき、インゴールまでもっていってトライ!ゴール成功も成功し、7-7の同点。市立尼崎が一発で取りきって同点とします。
その後は再び科学技術ペースに。スクラムから、右に左に展開していき、敵陣へと入り、その後FWで攻め込むも、ここはボールが出ず、相手ボールに変わります。市立尼崎はこのスクラムから攻め込むも、科学技術高校がチョークタックルでモールアンプレアブルとし、マイボールに。その後、ペナルティでいったんチャンスはつぶすも、その後科学技術13番が敵陣での好タックルでペナルティを誘うと、クイックスタートからモールを組みます。前半28分、科学技術がモールを押し込むと、最後は8番が抜け出してトライ!ゴール成功で14-7と科学技術がリードします。
前半はここで終了。科学技術がリードし、後半に入ります。
後半
後半は科学技術高校のキックオフでスタートです。
後半開始早々は互いにキックの応酬など、探り合いの時間から、市立尼崎高校が自陣でノックオン。このスクラムから科学技術が攻め込むも、オーバーザトップの反則で、いったんチャンスをつぶします。その後相手キックから再び科学技術が攻め込むも、再びペナルティで相手ボールに変わります。
市立尼崎はこの後ラインアウトからフェーズを重ねて、敵陣でボールを回すと、ゴール中央付近で科学技術がペナルティ。後半5分、市立尼崎はここはショットを選択し、PG成功。14-10と4点差に追い上げます。
この後のキックオフからは科学技術が敵陣へ攻め込みます。ハーフウェイライン付近からモールを組むと、ジリジリと押し込んで、22mラインまで押し込みます。その後、市尼のコラプシングもあり、さらにゴール前に攻め込むも、ここはオブストラクション。その後相手ミスで攻めるも、最後はスローフォワードで得点には至りません。
すると流れは市立尼崎へ。市尼が自陣からボールキープすると、12番がゲインし、敵陣へと入ります。ここで相手ノックオンがあり、マイボールスクラムから再び攻撃。10番がゲインし、ゴール前へ攻め入ると、相手ペナルティ。後半16分、そこからFWで近場を攻めたて、最後は25番が右中間にトライを決めて逆転。ゴールも決まり14-17と市立尼崎が3点リードに変わります。
その後のキックオフからは市立尼崎が敵陣へ。市立尼崎は敵陣でのスクラムから右に展開し、14番がゲイン。相手ペナルティからゴール前へ攻め込むも市尼オブザゲートで科技高ボールに変わります。が、このラインアウトボールを市立尼崎が奪うと、ここからフェーズを重ねて攻め込みます。が、今度は相手に絡まれてノットリリースザボール。チャンスを生かせません。
すると徐々に科学技術ペースに。科学技術高校は得意のモールで攻め込みます。相手ペナルティからモール押し込んで22m内へと進むと、相手コラプシング。科学技術は再びモールを組んで押し込むと、後半28分、ゴール前でモールを押し込んでトライとなり、再逆転!ゴールも決まり、21-17と科学技術が4点リードに変わります。
残りわずかとなり、科学技術のノックオンから市立尼崎はマイボールスクラムから最後のプレーとなります。いったんターンオーバーされるもすぐに奪い返し、右サイドライン際を攻め込むも、ここはタッチに出てしまいます。
試合はここで終了。結果、科学技術高校が、市立尼崎高校に勝利しました。
試合を振り返って
試合はどちらが勝つか最後までわからない熱戦となりました。科学技術高校は前半から得意のモールで相手を押し込む場面が目立ち、うまく試合を進めたと思います。また、この日目立ったのはディフェンス面でした。序盤から鋭い出足で相手に突き刺さるようにタックルを決めて、市尼が縦に切れ込んでいく場面を作らせなかったです。
また、その結果、相手のミスも誘うようになり、特に前半は敵陣でプレーする時間が長くなり、有利に試合を進めたと思います。
後半に入り、徐々に市尼に抜け出される場面も出てきて、一時は逆転されましたが、再逆転となったのはやはりモールでした。残り2分で逆転し、そのまま勝利をつかみました。得意のモールと、なんといってもディフェンスでのしっかり前に出て止めていたのが大きかったと思います。
対する市立尼崎高校ですが、この試合は前半から自陣でのプレーが続き、なかなかリズムよく攻め込む機会が少なかったかなと思います。それでも前半は2トライに抑えて、さらに、ワンチャンスを活かしてトライを奪ったことで、後半に勝負をかける試合となったと思います。
後半は、まずPGで得点差を詰めると、徐々に大きく抜け出す場面も増えてきて、後半16分には逆転に成功。その後もチャンスは作ったものの、後半残りわずかとなってから、相手のモールで押し込まれ、リードされると、ラストワンプレーも得点にはつなげることができませんでした。
この日はいつもに比べ、縦に強く走りきるという場面が少なく、相手ディフェンスに止められる場面も目立ったこと、また、自陣でのプレーが増えてしまったことも得点が伸びなかった要因となってしまったかなと思います。
いずれにしても最後までどちらが勝つかわからない熱戦となり、シード校決定戦にふさわしい試合になったかと思います。
全体を通じて
この試合の結果、秋の大会のシード校は科学技術高校となりました。秋の大会でも両チーム上位に進んでくると思います。まずはこれから、夏にさらに練習を積んで、強くなって秋の大会に挑んでもらいたいと思います。そして、2強の関西学院と報徳学園に並ぶような活躍を期待しています。
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