一歩抜き出た強さ~常翔学園vs大産大付属

高校ラグビー
スポンサーリンク

常翔学園と言えば、旧大阪工大高の名前でも有名な大阪のラグビーの名門校。しかしながらここ2年は冬の全国高校ラグビー大会に出場できずにいます。実力的に言えば、この2年間も大阪でトップクラスであったとは思いますが、ここ2年、東海大仰星、大阪桐蔭に決勝で敗れて花園行きを逃してしまっています。

特に2014年秋に行われた大阪予選決勝では、ロスタイムまでリードしながらも最後、大阪桐蔭にPGを決められて逆転負けという辛い試合でした。新チームに変わって今年こそは花園で、という思いも強いでしょう。

対する相手は大産大付属高校。昨年度秋には決勝までいくも大阪朝高に敗れて、全国大会出場はなりませんでした。一方でサニックスワールドラグビーユース大会予選会(いわゆる裏花園)に出場し、13位。全国の強豪と対戦し、大きな経験を経て、この大会へと挑みます。

決勝までの2試合は大勝し、常翔学園との勝負に挑みます。

スポンサーリンク

前半

注目のこの試合は前半から常翔学園がテンポの良いリズムでボールを動かしていきます。前半4分、連続攻撃で素早く展開していき、ゴール中央をゲイン。最後は6番がトライ、ゴールも決まって7-0と先制すると、ここからはトライラッシュに。前半8分頃には右に展開して右サイドゲインすると、最後13番が中央にトライ、ゴール成功で14-0とします。

さらにそこから1分経たないうちに、今度は13番が左隅でボールをもらうと、相手タックルをどんどん外し、左隅にトライ。ゴール外れて19-0。さらに前半15分過ぎにも自陣でターンオーバーし、左へ展開し11番がトライを決めると、19分ごろに13番が左へ流れつつ相手タックルをハンドオフでかわしていき、中央まで走り込んでトライ!さらにその後にも、今度はラインアウトモールからトライを奪い、40-0とします。

大産大付属もハーフ団中心に素早い展開で攻め込もうとするも、相手に絡まれたり、ハンドリングミスがあったりと中々トライまで結びつかなかったですが、前半残り5分程で初めて相手陣5m内に攻め込むとそこから近場の連続攻撃でフェーズ重ね、最後は7番が押し込んでトライ!ゴールも決まって40-7となんとか初トライを決めます。

が、前半最後に常翔学園が再び13番が個人でステップし、相手を交わすとインゴールまで走りきり、トライ。ゴールは外れて45-7となったところで前半終了となります。

前半は風下であったはずの常翔学園ですが、風向きなど関係なくトライを重ねていった前半でした。

後半

後半は前半に比べるとやや静かなスタートに。両チームともに得点なく、しばらく時間が過ぎていきます。

得点が入ったのは後半8分頃。この試合、再三ディフェンスラインを抜いていった常翔学園13番が、またもギャップを抜け出して相手タックルもかわしてトライ!ゴール決まって52-7とします。さらに常翔学園は相手ノックオンからターンオーバーし、12番が右サイドを抜け出します。フォローしていた21番にボールが渡り、トライ。ゴール成功で59-7とします。

さらに後半18分頃、常翔学園が相手陣でキックパス。これが大きくバウンドし、13番の方にうまく跳ねて、キャッチした13番が中央に持っていきトライ!ゴール成功で66-7とすると、さらにマイボールスクラムから展開して15番がトライ。ゴール成功で73-7とします。その後、10番が抜け出してそのままインゴールまで走りきってトライを奪い、ゴール決めて80-7とリードを広げます。

大産大付属高校は、後半もなんとか得点したいところ。そんな終了間際に相手に進むと、10番がステップでディフェンス抜き去るとゴール中央にトライ!ゴールも決まって80-14とします。

このまま試合終了かと思いきや、ロスタイムに常翔学園が最後攻めていきます。相手ペナルティからクイックスタートで10番が抜け出してそのままトライ!ゴールもしっかりと決めて87-14としたところで試合終了となります。

結果、常翔学園が大産大付属を倒し、近畿大会出場を決めました。

全体を通じて

87-14というスコアが示すように、この試合は常翔学園の圧勝だったと思います。これについていえば、決して大商大付属が弱かったわけではなく、やはり常翔学園が強すぎた、といった方がいいでしょう。少なくともこの時点でいえば、常翔学園は近畿大会に出場する4チームの中でも最も強いチームという印象を受けました。何より素早いテンポから展開していき、相手ディフェンスが整う前に崩していくという攻撃力、また個々のフィジカル、フィットネスも素晴らしかったと思います。おそらく全国選抜ラグビーでも優勝候補になるのではないでしょうか。(まだ近畿大会前ではありますが。)

常翔学園の選手は皆素晴らしいのですが、特に目立ったのはやはり13番の選手。ステップで相手ディフェンスを抜き去る力もさることながら、その後タックルを外して倒れないで振り切ることができる素晴らしい選手だと思います。また、10番の選手も素晴らしいなと思いました。若干ポジションは違いますが、今年の花園での東福岡高校のSO松尾選手とCTB永富選手のコンビを彷彿とさせる2人のように感じました。

対する大産大付属ですが、こちらも弱いわけではなく、むしろハーフ団中心に小気味良い攻撃を見せていたと思います。この試合については対戦相手が悪かったと思った方がいいかもしれません。決勝で敗れた4チームの中では一番テンポは良かったかと思います。

その一方でディフェンスは常に集散が遅れてしまっていたかと思います。これについては相手が早すぎたというのはありますが、どうしてもラインを作るのが遅れる、ギャップができてしまう場面が多かったです。強豪相手となると、こういった部分を攻められてトライを取りきられてしまうので、ラックから球出しを遅らせる(できていた場面もありましたが)のと、絡む場面・絡まない場面を上手く判断していけるといいですね。

 

なお、常翔学園の今年のキャプテンは金澤功貴くん。表彰式では主将として表彰状をもらっていました。プレーはできませんが、裏方として戦術・戦略面、チームの士気などの面で活躍した結果の優勝であったと思います。

※なお、得点に至る過程や選手番号などは個人で見た範囲で書いてますので、もし実際と異なっていたらすみません。