フィジカルvsフィジカル~日本選手権準決勝 ヤマハ発動機ジュビロvs東芝ブレイブルーパス

トップリーグ
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ラグビーの魅力と言えば何でしょう?

華麗なパス回しから生まれるトライシーンや、自陣からバックスが大きく独走するシーンだと答える人もいると思います。そのような速さや華麗さというのもラグビーの華なのは間違いないですが、それ以外にも大きな魅力があります。

それがFW同士のぶつかり合いやラック周辺での攻防、さらには8人同士で組むスクラムなど、体が大きな選手達が力勝負に挑む場面だと思います。ラグビーの好きな人はこういったぶつかり合いが好きな人も多いです。そして他のスポーツにはあまりないぶつかり合いこそラグビーの醍醐味になっています。

日本選手権準決勝第一試合は、ヤマハ発動機ジュビロvs東芝ブレイブルーパスの対戦となりました。両チームと言えば、トップリーグでも1,2位を争うスクラムの強さを誇るチームです。

東芝ブレイブルーパスは長年そのフィジカルの強さで常に上位進出を果たしてきたチームです。ただし、ここ数年はトップリーグ、日本選手権ともに優勝まで届かない年が続いています。日本選手権は2006年以来優勝できていません。今シーズンこそトップになりたいところです。

対するヤマハ発動機ジュビロは、清宮監督が就任して4年目。今シーズンはトップリーグ2位と大きく躍進したシーズンになりました。この試合に勝てば初の決勝進出となります。

ちなみに今シーズンの対戦はヤマハ発動機ジュビロの2戦2勝。ヤマハが3勝目となるのか、それとも東芝が決勝進出となるか。どちらでしょうか。

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前半

前半は東芝のキックオフで試合開始。

前半最初にチャンスをつかんだのはヤマハ発動機。前半8分、ラインアウトからなんとかボールキープすると、中央でラック。ここから10番が左にいた14番にパス。14番がライン抜け出し、13番にパス。13番がタックルされながらもインゴールにボールを置いてトライかと思いきや、TMO判定の結果ダブルモーションを取られ、トライならず。ヤマハは惜しいチャンスを逃します。

その後は少しずつ東芝が相手陣に入って攻める場面が多くなります。前半17分、ヤマハのノットロールアウェイから東芝はPGを選択。これを9番小川選手が決めて3点を先制します。

その後21分には東芝が相手陣5mからのラインアウトからモール、さらに6番が押し込んでいくもグラウンディングできずに得点には至りません。それでも東芝は25分、相手陣でノットリリースザボールを誘い、ゴール中央でPGを選択。ここもしっかりと決めて6-0とリードを広げます。

その後今度はヤマハがチャンスをつかみます。前半32分、敵陣でのラインアウトからモールを組むも、崩れてラックに。そこから大きく左に展開し、左サイドでラック。ここから中央に戻して再びラックを作ると、ヤマハ6番トゥイアリィ選手がディフェンスライン近くを右サイドからスルスルとラック側に近づき、9番からパスを受けるとそのまま抜け出してトライ!ゴールも決まって7-6とヤマハが逆転します。

その後は東芝が相手陣での試合が続きます。前半終了間際、相手陣に攻め込むもトライにはつながらずに、東芝ボールでの5mスクラムに。ここで何度かスクラムが崩れ、組みなおす機会が続き、最後はヤマハ側のコラプシングに。これを東芝がPG選択し、ゴール成功。9-7と逆転し、東芝が2点リードで前半終了となります。

前半はハンドリングエラーも多くスクラムを組む場面が多くなりました。互いにスクラムで負けまいと駆け引きしており、組みなおす場面も多くありましたが、前半では東芝が組み勝った場面が多くなりました。

後半

後半はヤマハのキックオフでスタートです。後半はまず東芝が先にチャンスをつかみます。後半3分頃から相手陣でのマイボールラインアウトからフェーズを重ねていくも、ヤマハディフェンスは崩れず。東芝はゲインできず、最後は右サイドへのパスがタッチに出てヤマハボールに。その後も東芝が相手陣でプレーする時間が後半10分過ぎまでは続きます。

試合が動いたのは後半13分、ヤマハが自陣からボール展開し、15番がタックルを外しハーフウェーラインまでゲインすると、左隅の5番クリシュナン選手にパス。左隅を大きくゲインし、相手タックルで倒されるも後ろからフォローした10番にパス。そのままインゴールまで持っていきトライ。ゴールは外れるも12-9と逆転します。

その後は、ヤマハがうまくペースをつかみます。相手陣でのプレー時間が長くなると、後半21分には相手ペナルティからPGを狙い、成功。15-9とリードを広げます。

この後は東芝が敵陣でボールキープし、フェーズ重ねて攻撃し、相手陣10mまで進むものの、ヤマハディフェンスが崩れることなく、またペナルティを犯さずに最後は東芝がノットリリースザボール。ヤマハディフェンスはペナルティもなく規律も守った上で守り切ります。

その後、後半32分に、東芝がペナルティを犯すと、ヤマハがPGをしっかりと決めて18-9と9点差に広げます。

ここからはヤマハはゆっくりと時間を使う展開に。後半37分には、スクラムで東芝のコラプシングを誘い、これをショット選択。遠目からのPGをしっかりと決めて21-9とし、勝負を決めます。

結局試合はそのまま21-9で終了。ヤマハ発動機ジュビロが東芝ブレイブルーパスを破り、決勝進出となりました。

全体を振り返って

この試合は前半は両チームともにハンドリングエラーやペナルティが多くなりました。ヤマハは前半はPGを狙わずにトライを狙うスタイル。一方の東芝は敵陣でPGを狙って得点を重ねていきました。前半はスクラムはやや東芝が優位に進める場面が多かったです。ただ、トライシーンを見ると、ヤマハが展開した場面でやや立ち遅れる、あるいはギャップができる場面もあったと思います。

ポイントは後半にあったと思います。ヤマハの勝因としては、①スクラムで修正し、崩れることがなくなったこと、②ディフェンスが近場で大きく崩されることなく、外に回されても人数が揃ってディフェンスできていたこと、③ペナルティが減り、規律が守れていたことではないでしょうか。

後半のヤマハのペナルティは1つのみ。それも後半最初に犯したもので、それ以降相手に攻め込まれる場面では、規律を守れたのは大きかったと思います。また、相手に攻め込まれても後半は特に危ないという場面は少なかったように見えました。守り勝ったことでリズムを作り出した部分もあったと思います。

それに対し、後半の東芝はペナルティが減らず、PGで徐々に得点差を広げられてしまったことで、厳しい展開になってしまったと思います。また、スクラムでも後半は劣勢となってしまったのも痛かったと思います。

 

これでヤマハは初の日本選手権決勝進出。今シーズンはトップリーグでもファイナル進出となりましたが日本選手権でも決勝進出です。勝てば初の優勝となりますので是非頑張ってほしいと思います。

東芝はこれで今シーズン終了となりました。今シーズンは富岡HCのもとで、これまでのフィジカルを前面に出したチームから変化を遂げた場面も見られました。が結果としては今シーズンも無冠となりました。来シーズンこそトップを目指して頑張ってほしいと思います。

 

 

 

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