2015-2016年のトップリーグを振り返る~最多の観客動員の裏に見えてくるものは?~

今年のトップリーグもサンウルブズとの強化試合となったオールスター戦にて全ての日程を終了することになりました。W杯での日本代表の活躍もあり、今年のトップリーグは主催者発表で、491,715人(1会場あたり6,470人)となり、過去最多の観客動員を更新したことになります。

今シーズンはまさにブームの影響があったトップリーグですが、もう少し細かく見ていくと、ブームの裏にある現象も見えてきます。

今回は今年度のトップリーグの観客動員数を色々な角度から検証していきたいと思います。

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今年のトップリーグ観客動員

改めて、まずは今年の総入場者数を振り返っておきましょう。今年の総入場者数は491,715人となり、過去最高の記録しました。これまで、トップリーグは40万人の観客動員を目指すという形で何年も到達しない年が続いていましたが、今年は大きく上回る数値となっています。

また、特に大きいのが1開催平均の入場者数。これまでの最多が2008年-2009年シーズンの5,202人でそれ以降は5,000人を超えることができませんでした。これに対して今年は1開催平均で6,470人と大きく更新する数字になっています。しかもこの数字は、W杯前・W杯期間中に開催されたプレシーズンマッチ38試合を含めた数字。

プレシーズンマッチにはW杯参加選手は当然出場していない試合なので、実際に開幕した11月以降の数値だとさらに平均人数は高くなっていることになるでしょう。

総観客動員 1開催平均
2015-2016 491,715人 6,470人
2014-2015 396,421人 4,719人
2013-2014 365,491人 4,300人
2012-2013 362,068人 4,960人
2011-2012 338,543人 4,768人
2010-2011 347,612人 4,762人
2009-2010 349,243人 4,784人
2008-2009 384,954人 5,202人
2007-2008 319,566人 4,770人
2006-2007 295,107人 4,684人
2005-2006 187,717人 3,610人
2004-2005 209,140人 4,546人

観客動員トップ10とワースト10

総論的には大きく観客動員が伸びた今年のトップリーグですが、個別の試合も見てみましょう。まずは今年のトップリーグの試合の観客動員数トップ10の試合についてです。

(なお、ここからのデータは、プレシーズンマッチを除いたものになります。リーグ戦第7節までの全56試合と、順位決定トーナメント全24試合のデータです。)

トップ10

トップ10の試合は以下となっています。

対戦 観客動員 会場 日付
リーグ戦第7節 サントリー-東芝 25,164人 秩父宮ラグビー場 12/26(土)
順位決定戦第3節決勝 パナソニック-東芝 24,557人 秩父宮ラグビー場 1/24(日)
リーグ戦第7節 キヤノン-ヤマハ 22,843人 秩父宮ラグビー場 12/26(土)
順位決定戦第3節3位決定戦 神戸製鋼-ヤマハ 22,377人 秩父宮ラグビー場 1/24(日)
リーグ戦第5節 東芝-パナソニック 20,138人 秩父宮ラグビー場 12/12(土)
リーグ戦第4節 コカ・コーラ-ヤマハ 18,005人 うまかな・よかなスタジアム 12/6(日)
リーグ戦第5節 NTTコム-サントリー 16,025人 秩父宮ラグビー場 12/12(土)
順位決定戦第2節 パナソニック-神戸製鋼 14,451人 秩父宮ラグビー場 1/16(土)
順位決定戦第2節 東芝-ヤマハ 14,248人 花園ラグビー場 1/16(土)
リーグ戦第4節 ホンダ-サントリー 14,133人 うまかな・よかなスタジアム 12/6(日)

上記のように、例年に比べかなり多くの観客が集まる試合が増えてきました。1万人以上の試合でいえば、昨年度リーグ戦4試合、プレーオフトーナメント1試合の合計5試合でしたが、これが今年はリーグ戦13試合、順位決定戦6試合の合計19試合に増えています。
また、今年トップとなったサントリー-東芝の一戦の25,164人は過去最高の観客数となりました。

また、対戦的に見ても、東芝やパナソニック、サントリーといったチームが多く、それとヤマハの試合が観客数が多いのがわかります。代表選手が多い試合や五郎丸選手が所属するヤマハの試合が今年の観客動員を支えたのが見えてきます。

また、例年通りではありますが、やはり秩父宮ラグビー場での開催試合が観客動員多くなる傾向があります。熊本で行われた試合で18,000人を超えたのは、地方開催ではかなり異例だとは思いますが、五郎丸選手の影響が大きいでしょう。

ワースト10

さて、続いてワースト10の試合です。観客数が多い試合もあれば、少ない試合もあります。というわけでワーストの方も見てきましょう。

対戦 観客動員 会場 日付
順位決定戦第2節 NEC-リコー 1,171人 鈴鹿スポーツガーデン 1/16(土)
順位決定戦第2節 クボタ-豊田自動織機 1,745人 鈴鹿スポーツガーデン 1/16(土)
順位決定戦第3節 NTTドコモ-NEC 1,835人 駒沢陸上競技場 1/23(土)
リーグ戦第4節 NEC-キヤノン 1,852人 高知・春野陸上競技場 12/5(土)
リーグ戦第5節 豊田自動織機-キヤノン 2,160人 岐阜・長良川球技メドウ 12/13(日)
順位決定戦第3節 近鉄-NTTコム 2,440人 瑞穂ラグビー場 1/23(土)
順位決定戦第1節 ホンダ-NTTドコモ 2,464人 駒沢陸上競技場 1/9(土)
順位決定戦第3節 コカ・コーラ-リコー 2,470人 駒沢陸上競技場 1/23(土)
リーグ戦第7節 クボタ-リコー 2,539人 金鳥スタジアム 12/26(土)
リーグ戦第6節 キヤノン-トヨタ自動車 2,670人 町田・野津田公園陸上競技場 12/19(土)

逆にワーストの方を見ていくと、実は例年と変わらないくらい、観客数少ない試合も多くあります。観客数トップだった試合と比べると、10分の1以下の試合も多数あります。特に多いのが順位決定戦で、下位グループの対戦となった試合。下位グループの試合だと一気に見に行く人が少なくなる傾向があります。

また、地方での試合も観客数少ない傾向が見られます。熊本で開催された試合は上位トップ10に入ったのですが、逆に言えば、日本代表選手がいない、又は少ないチーム同士の対戦やヤマハが出場しない試合で地方での試合となるとまだまだ観客を集めることができない、という課題も見えてきていますね。

チーム別観客動員数まとめ

さて、続いては各チーム別に観客動員数を見ていきます。こちらもプレシーズンマッチはカウントせず、リーグ戦と順位決定戦トーナメントの2つをまとめています。(上から今年の成績順に並べていますので、上にある=観客数が多いとはならないのでご注意ください。)

リーグ戦総観客数

括弧内は平均

リーグ戦

観客数順位

順位決定戦総観客数

括弧内は平均

順位決定戦

観客数順位

パナソニック 64,116人

(9,159人)

4位 45,476人

(15,159人)

2位
東芝 81,404人

(11,629人)

2位 46,889人

(15,630人)

1位
ヤマハ 94,178人

(13,454人)

1位 44,152人

(14,717人)

3位
神戸製鋼 59,428人

(8,490人)

 5位  42,584人

(14,195人)

4位
トヨタ自動車 47,006人

(6,715人)

 12位 23,023人

(7,674人)

5位
キヤノン 47,603人

(6,800人)

 10位 20,040人

(6,680人)

7位
近鉄 47,267人

(6,752人)

 11位 18,230人

(6,077人)

8位
NTTコム 57,864人

(8,266人)

 6位 21,368人

(7,123人)

6位
サントリー 78,315人

(11,188人)

 3位 14,044人

(4,681人)

9位
豊田自動織機 33,602人

(4,800人)

 16位 10,059人

(3,353人)

11位
ホンダ 54,691人

(7,813人)

 7位 9,953人

(3,318人)

12位
クボタ 45,458人

(6,494人)

 14位 8,889人

(2,963人)

13位
リコー 37,609人

(5,373人)

15位 7,412人

(2,471人)

15位
コカ・コーラ 50,457人

(7,208人)

 9位 11,321人

(3,774人)

10位
NEC 46,984人

(6,712人)

 13位 6,831人

(2,277人)

16位
NTTドコモ 50,928人

(7,275人)

 8位 7,819人

(2,606人)

14位

これを見ると、チームごとにかなり差が出てきます。総論でいえば、上位のチームが、観客数が多く、下位のチームが観客数が少なくなります。特に、順位決定戦トーナメントだとかなり相関関係が高いですね。なお、リーグ戦と順位決定戦を総合するとヤマハが観客数1位となります。

順位決定戦トーナメントで下位のチームが観客数が少なくなるのは致し方ないにしても、リーグ戦でもかなりの差が出てきています。チーム成績や選手など、さらにはトップリーグの場合社員動員も含めて様々な要素で差が出てくるかとは思いますが、観客数が少ないチームがさらに多くの人を巻き込むための仕組みは考えていく必要があるかと思います。

上記の観客数から見えてくるもの

上記を見ていると、今年のトップリーグは確かに総観客数は増えましたが、以下のような課題が残されていると思います。

  • 観客数の多い試合と少ない試合の格差拡大
  • 地方開催試合の観客動員策
  • 下位チームの対戦の観客誘引
  • 日本代表がいないチームの観客数の増加

これらを考えると、結局は総観客数が増えて、過去最高の観客数になったとはいえ、実は昨年から残された課題はそのままとなっているかと思います。これまでも地方開催は人が集まらない試合が多かったですし、特に秩父宮の試合では人が集まるものの、それ以外では多くの観客を集めるのは難しいというシーズンが続いていました。

上位同士のカードは1万人を超える試合もあったものの、下位同士の試合ではそこまで観客数が増えないというのもありますし、総観客数だけで今年のトップリーグは変わったとみるのは間違いだと思います。

もちろん、昨年までなら、そもそも上位同士の対戦でも1万人入れば・・・という感じだったのが、秩父宮を満員にできるようになった、スター選手が現れて多くの人が試合を見に来るようになった、というのは喜ばしいことです。でも冷静に数字を見ていくと、ブームで増えた部分以外は、昨年までとさほど変わっていない姿が見えてきます。

この課題については、来年度以降ももっと改善していかなければいけないものだと感じています。

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